乗ってよかった6台で選んだ私、塚田勝弘の「クリッカーオブザイヤー2014」
「乗ってみたら予想どおりだった」でも、乗ったからこそ分かる要素が見つかるもの。乗った後にいつも思うのが「やっぱりクルマは乗らなきゃ分からない」。
その視点から考えると、BMW i8、マセラティ・ギブリ、メルセデス・ベンツSクラス クーペ、ダイハツ・ハイゼットトラック、BMW X6、アウディS1/S1スポーツバックに乗れなかった2014年は選考委員の資格はないかもしれません。
中でもBMW i8は、試乗して評価すれば10点を付けたくなる要素がプンプンしますし、アウディS1/S1スポーツバックはこうしたコンパクトなホットハッチが少なくなった現在、MTのみというのもこのクルマのキャラを際立たせている気がします。
そんな私、塚田勝弘が乗って選んだ「クリッカーオブザイヤー2014」の6台を紹介します。
■1位(10点):マツダ・デミオ
日本では「軽自動車とハイブリッドしか売れない」。
この状況を招いた大きな要因として、軽自動車と比較対象になることの多いはずのコンパクトカーが「ハイブリッド以外は大きな魅力に欠ける」という総崩れに近い現状にあると思います。
その意味では、デザインの好き嫌いは各人それぞれだとしても内・外装ともに気合いが入っていますし、ガソリン、ディーゼルともに秀逸なエンジン、そして安全装備も含めた装備の充実ぶりといい、VWポロやフォード・フィエスタと迷ってデミオにしても十分に満足できるはず。
■2位(4点):プジョー308/308SW
新型プジョー308こそ乗ってこそ分かった好例でした。ひと昔前のとろけるような猫足ではないですが、ドイツ車(ゴルフ)の呪縛が解け、しなやかで上質な乗り味。
しかも適度に芯を感じさせるのは、「名古屋の味噌煮込みうどん」のようかも、なんてまったく関係のないことを考えながらフットワークの良さにも感心させられます。
■3位(3点):メルセデス・ベンツCクラス(セダン)
「2013年のゴルフ」ほどのインパクトはありませんでしたが、快適性と走りのバランスの良さが味わえるのは売れ筋のC180アバンギャルド。
車線維持機能の介入具合(し過ぎ)は好みが分かれそうですが、Dセグメント車で長距離移動するならまずはこちらを選びたいです。
■4位(1点):レンジローバー・スポーツ
SUV離れしたスポーティなハンドリングならポルシェ・カイエンやBMWのSAVシリーズには及ばないかもしれませんが、それでも十分以上にスポーティなのにレンジローバーらしく快適かつ上質。
圧倒的な見切りしやすさで運転しやすいなど、同ブランドの美点を味わえるのは驚きのひと言。宝くじが当たったら買いたい!
■4位(1点):ジャガーFタイプ クーペ
コンバーチブルでも驚くほどのボディ剛性感を味わえますが、クーペは金属の塊の中に入っているかのような強固なボディ剛性感で、意のままに安心して動かせるのにはビックリ。
3.0L V6でも十分以上な速さですが、5.0L V8の圧倒的なサウンドと怒濤の加速には参りました! というか、怖くて踏めないほど。イグニッションオンで「ブゥオン!」とひと声叫ぶ演出は要りませんが……。
■4位(1点):ダイハツ・コペン
最後の1点は、レクサスRCと迷ってコペンに。デザインの良し悪しは別にして、エンジンとシャーシのバランスがちょうどよく、休日に走りを少し楽しむにはいい選択肢で、出してくれただけで1点入れたくなりました。
これからの熟成にも期待しての1点というニュアンスもありますが、趣味のセカンドカーが軽自動車というのもいいですね。
■マツダ新型デミオで長距離を走るクルマ好きなら迷わずディーゼルを選びたい!
http://clicccar.com/2014/10/03/270872/
■プジョーらしさ満開の308の走りが楽しい!
http://clicccar.com/2014/12/25/284141/
■メルセデス・ベンツCクラスの走りの良さは、自然なダイレクト感にあり
http://clicccar.com/2014/12/21/282833/
■ピュアスポーツカーの走りに心躍る! 【ジャガーFタイプ・クーペ試乗記01】
http://clicccar.com/2014/08/23/265202/
■操る楽しさだけでも買い!【ダイハツ・コペン試乗01】
http://clicccar.com/2014/07/23/262900/
(塚田勝弘)
乗ってよかった6台で選んだ私、塚田勝弘の「クリッカーオブザイヤー2014」(http://clicccar.com/2015/01/05/285164/)