ポストシーズンのロードゲームで33イニング連続無失点という新記録を樹立したジャイアンツ・バムガーナー[Getty Images]

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ワールドシリーズ第1戦

● ロイヤルズ 1 - 7 ジャイアンツ ○

<現地時間10月21日 カウフマン・スタジアム>

 MLBのポストシーズンはいよいよ最後の戦い、ワールドシリーズの幕が開けた。本拠地で迎える初戦を取って勢いに乗って行きたい青木宣親所属のロイヤルズであったが、同じくワイルドカードから勝ち上がってきたジャイアンツに1-7で手痛い敗戦を喫した。

 現地時間9月30日のワイルドカードゲームから地区シリーズ、優勝決定シリーズと負けなしの8連勝。29年ぶりとなるポストシーズンの舞台で旋風を巻き起こしてきたロイヤルズであったが、初回からいきなりジャイアンツ打線に捕まる。

 先頭のブランコを安打で出塁させると、3番ポージーにも安打を許し、一死一三塁のピンチ。ここで4番サンドバルがライトへの適時二塁打。右翼手・青木から二塁手・インファンテの中継プレーで一塁走者の生還は阻止したものの先制を許すと、続く5番ペンスにはバックスクリーン右へ放り込まれ、一気に3点を失う。

 その後も4回にモースの適時打と押し出しの四球で2点、7回にもパニック、サンドバルに適時打を打たれてさらに2点を失う苦しい展開。

 反撃したい打線も、ジャイアンツのエース・バムガーナーを前に沈黙。エラーと二塁打で無死二三塁と唯一のチャンスを作った3回も、エスコバルと青木が連続三振に倒れ、無得点。リーグ優勝決定シリーズMVPで、ポストシーズンここまで2勝1敗、防御率1.42と安定感抜群の左腕を前に凡打の山を築く。

 見せ場といえば、7回二死から7番ペレスが放ったレフトスタンドへの意地の一発。バムガーナーが2010年から続けていたMLBポストシーズン記録である敵地での連続無失点を33回で止めてみせたが、7回を3安打に封じ込まれてしまってはどうしようもなかった。

 失点をしても、終盤の脅威の粘りで食らいついてきたのがここまでのロイヤルズであったが、この日は先制、中押し、ダメ押しとジャイアンツの完璧な試合運びを前に屈した。

 ロイヤルズは今年のポストシーズン9戦目にして初の黒星。1985年のワールドシリーズ第4戦以来、29年ぶりに喫したポストシーズンでの敗戦となった。

 これで対戦成績は0勝1敗。2000年以降、ワールドシリーズで初戦黒星スタートとなったチームが逆転で世界一に輝いたという例はわずかに2回。史上初のワイルドカード同士の対決となった2002年のエンゼルスと松井秀喜が日本人初のワールドシリーズMVPに輝いた2009年のヤンキース、この2チームのみである。破竹の勢いで勝ち進んできた今年のロイヤルズにこの逆境をはね退ける力は残っているだろうか。