このパッケージが目印です。

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先日、セブンイレブンで購入したアイス「ムース」が、異常に美味くて、衝撃を受けた。
プルプルした独特な食感が特徴で、九州では給食でおなじみの「溶けない不思議なアイス」らしい。

こんな美味しいアイスを給食で食べていたなんて、九州の人たち、ズルいじゃないか。
調べてみると、昨年3月からセブンイレブンで全国販売されており、さらに今年2月26日からは新フレーバーの「杏仁ムース」も販売されているようで、ネット上では「マジおすすめ」「クソうまい」などと評判だった。
恥ずかしながら、完全に出遅れた……。

以来、セブンイレブンを通るたびに探したが、1度出会ってからはなかなか巡り合えず、3軒目にしてようやく再会できた喜びから、思わず6本も買ってしまった。
自分などは出会ったばかりなのに、もしかしてすでにシーズンオフに向かっていたりする?
販売元のセリア・ロイル(旧ロイヤル食品)に聞いてみると、「商品の扱いは、セブンイレブンさんのほうで決めていらっしゃるので」とのこと。季節商品というわけではないらしいので、とりあえずホッとした。

それにしてもなぜこれほど美味しいアイスを、九州の、それも給食限定にして隠していたのか。商品が作られた経緯などについて聞いてみた。
「弊社は10年ほど前に全酪新世乳業と合併した(工場の移管を受けた)んですが、ムースはもともとそこで作られていたものなんです。牛乳が飲まれなくなってきて、余ってしまうことで、それを活かせないかと、約35年前には牛乳を煮詰めて砂糖を入れ、練乳を作るようになったそうです。さらに、それを利用してアイスを作れないかということになり、『溶けても食感が損なわれないようにしてほしい』という学校側の要望を受け、ゼラチンなどを入れて溶けにくくしたのが『ムース』だそうです」

当時を知る社員はすでにいないそうだが、この「ムース」、もともとは小さな丸いカップに入っていたもので、そこから徐々に変化していき、現在のワンハンドで食べられるパウチタイプに変わったのは2011年と言う。
「学校給食で食べていて、懐かしいというお客さんがいるだろうということから、市販品として九州で販売を始めました」

九州のコンビニで扱われるようになり、昨年3月には全国のセブンイレブンで販売開始。
つまり、九州の人にとっても、もともと「給食でおなじみのアイス」であり、市販品として食べられるようになったのは、ごく最近というわけだ。

それにしても、このムースもそうだし、数年前から全国的人気になっている「白くま」や、「あいすまんじゅう」「ブラックモンブラン」「ミルクック」、さらには袋入りのかき氷など、九州にはローカルアイスがたくさんあるが、何故なのか。

それについては、続編で改めて考察したい。
(田幸和歌子)