エボラ出血熱での死者は160人に、政府の予想に反して感染者は増加
by UNICEF Guinea
3月にギニア南東部の小さな村で感染者が発見されてから、またたくまに首都コナクリまで広がったエボラ出血熱。ギニア保険省の広報は「新たに感染する人の数は減少している」とロイターに伝えていましたが、予想に反して死者の数は依然として増加傾向にあります。
The African Ebola outbreak that shows no sign of slowing
http://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2014/04/23/the-african-ebola-outbreak-that-shows-no-sign-of-slowing/
Ebola virus disease, West Africa (Situation as of 2 May 2014) - WHO | Regional Office for Africa
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4130-ebola-virus-disease-west-africa-2-may-2014.html
しかし現地時間5月5日時点におけるギニアでの死者数は155人に達しており、リベリア共和国での死者数は11人。3月30日付けの報告ではPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によって24検体が陽性となっていましたが、5月2日の報告では210検体のうち127人に陽性反応が出ており、約1カ月で100人以上の感染者が確認されています。また、病院で患者のケアにあたる人にも感染が確認され、うち16人が死亡したとのこと。
エボラ出血熱は発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛といった風邪のような症状から始まり、嘔吐、下痢、腹痛といった症状に進行。やがては鼻や口、皮膚など全身に出血が見られ、その致死率は50〜89%と言われています。2011年にはマウスを対象にした実験でワクチンが作られましたが、人間に対する治療法は確立されていないのが現実です。ギニア政府の楽観的な予想に対しWHOは「エボラ出血熱の潜伏期間は3週間になることもあり、ギニアや近隣諸国はこれから数週間、新たな感染者を報告することになるだろう」と述べていましたが、その言葉通り、感染者・死者の数は増加傾向にありました。
by Phil Moyer
新たに発表された論文によると、これまでの予想とは違い、エボラ出血熱流行のきざしは2013年12月にはすでに見られていたとのこと。現在はまだ調査中ですが、今回の流行はウイルスに冒されたフルーツコウモリの肉をギニア奥地の村人が扱ったことが原因と見られています。