寝台特急『あけぼの』廃止決定でにわかに騒がしい“葬式鉄”とはなんぞや?

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上野−青森間を結ぶ寝台特急『あけぼの』号が、乗客の減少や車両の老朽化を理由に、2014年3月のダイヤ改正で廃止されることが報道された。「上野発の夜行列車 おりた時から」と演歌にも歌われた昭和を代表する列車がまた1つ姿を消そうとしている。

このあけぼの廃止はJRからの公式発表ではなく、東北6県で発行する河北新報が報じたもの。臨時列車としてまだしばらく残る可能性も噂されているが、鉄道マニアたちは「やっぱりな」と冷静な反応を示している。というのも、東京−青森間の料金が、4500円前後からある深夜高速バスに対し、あけぼのはB寝台で19950円とかなり割高なためだ。また、冬場は大雪と強風のため運休になる日が高速バス以上に多い。往復に2日かかる寝台特急より、1日2往復できる新幹線を優先させたいJR東日本の都合もあったことだろう。

ところでこの廃止報道後、にわかにネットを騒がせるようになってきた“葬式鉄”なる単語をご存知だろうか。“乗り鉄”“撮り鉄”など、楽しみ方によって分類される鉄道ファンのジャンルの1つで、廃止が決定した途端、その路線に繰り出す人たちのことをやや否定的なニュアンスを込めて指す呼称、だそうだ。「これまで見向きもしなかったクセに、こんな時だけファンのフリをしやがって、鉄道ファンの風上にも置けないヤツめ!」というわけだ。

しかし鉄道ファンからの人気と需要だけで1つの路線を維持できるわけもなく、ブルートレインの廃止は時代の流れというしかないだろう。廃止報道後、あけぼの号には予約が殺到しているらしく、1カ月先のB寝台車の席が早くも埋まりつつある。これも葬式鉄のせいと罵る向きもあるかもしれないが、沿線で騒ぎを起こすでもなく、寝台特急ならではの旅情を静かに楽しむことで最後を見送りたいというファンの想いは大切にしたい。

画像:wikipediaより[リンク]

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