住友商事と日新製糖は17日、タイ砂糖製造販売大手のKaset Thai International Sugar Corporation Public Company Limited(以下、カセタイ)に出資参画すると発表した。

 具体的には、住友商事および日新製糖は、カセタイの創業家がカセタイへの投資を目的として設立した合弁会社に出資する一方、同合弁会社はカセタイの株式を段階的に取得し、カセタイがタイ証券取引所への株式上場したのち、最終的に25パーセントを保有する予定。そして、住友商事と日新製糖は一連の出資プロセスを経て、同合弁会社の株式を最終的にそれぞれ25パーセント、5パーセント保有する計画。両社の出資総額は合計で約26億バーツ(約81億円)となる見込み。

 カセタイはタイ北部ナコンサワン県、ウッタラディット県に製造拠点をもち、グループ合計でタイ生産量の約10パーセント(1,000万トン程度)のサトウキビを集荷する同国第3位の製糖グループ。主力の砂糖製造事業に加えて、サトウキビの副産物を活用したエタノール製造やパルプ製造を行っており、今後バイオマス発電事業も開始する予定。

 住友商事と日新製糖は、ブラジルに次ぐ世界第2位の砂糖輸出国であり、成長著しい東南アジアの中心にあるという地理的優位性もあることから、タイを砂糖事業における戦略的地域と位置付け、トレードを中心に取り組んできた。今後は今回の出資参画を通じ、住友商事の多様な事業経営ノウハウ、およびグローバルでのトレード展開力、ならびに日新製糖の豊富な精糖ノウハウを活用し、カセタイの戦略的パートナーとして同社の経営品質の向上を支援するとともに、東南アジアにおける事業規模の拡大を共に目指していく。