キングジムはなぜ、「自習室」を経営するのか?/金森 努
「パイプ式ファイル」を1954年に開発し、登録商標を取得してファイルのシェア最大手となったのは、誰しも知るキングジム。同社はビジネスパーソン向けの会員制自習室「アカデミーラウンジ」を池袋で運営し、10月3日に水道橋に2号店をオープンさせている。それはどのような背景からなのか、考察してみよう。
「PEST分析」というフレームワークがある。PESTはマクロ環境を構成する4つの要素の頭文字だ。Political=政治的な規制事項の影響要因・Economical=経済環境の影響要因・Social=社会情勢の影響要因・Technological=技術的成熟度の影響要因という4つ。その切り口で自社や自社の属する業界に大きなインパクトを与える要因がないか。あるとしたら、それはプラスに作用するのか、マイナスに作用するのかといったことを洗い出していく。
企業が使うファイルや文具を主たる商材としている同社にとって、何といってもEconomicalの環境悪化は大きな影響要因だ。バブル崩壊後の「失われた20年」と、続く「リーマンショック」。冗費削減のためファイルもぼろぼろになるまで使い回される。さらにPoliticalとTechnologicalとしては2004年成立の「e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)」が挙げられるだろう。同法によって、<紙として保存された文書をスキャンして画像ファイルとしたものに対しても、一定の要件を満たせば正規の文書として認められるようになった>(Wikipediaより)。
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「PEST分析」というフレームワークがある。PESTはマクロ環境を構成する4つの要素の頭文字だ。Political=政治的な規制事項の影響要因・Economical=経済環境の影響要因・Social=社会情勢の影響要因・Technological=技術的成熟度の影響要因という4つ。その切り口で自社や自社の属する業界に大きなインパクトを与える要因がないか。あるとしたら、それはプラスに作用するのか、マイナスに作用するのかといったことを洗い出していく。
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