左から右を打ち込んだアルドは、ヒザ蹴りを繰り出すが、これは急所に。王者に注意が与えられ試合が再開すると、ホーミニックの左ジャブにアルドが右ローを合わせる。左ボディアッパーから、振り落とすローを見せたアルド。挑戦者は、ボクシング主体となり、ローがカットできない。

アルドの右ストレートがホーミニックの顔面を打ち抜き、挑戦者が後方に腰から崩れ落ちる。これまで通り、インサイドガードから左エルボーを落す王者アルドは、しっかりとトップをキープする。完全に消耗したホーミニックは、その右の額が大きく腫れ上がる。テニスボール大のたんこぶを作った挑戦者だが、ドクターチェック後に試合は再開。再びテイクダウンを許す。

インターバル中、再びドクターチェックが入った挑戦者。ここでも試合は可能と判断され、世界フェザー級選手権は最終ラウンドへ。右ローを蹴り込み、試合を決めにかかるような勢いを見せるチャンピオンの左フック、右アッパーカットが王者を襲う。ここでホーミニックが、シングルレッグでテイクダウンを奪う。

アルドがガードを取るという、かつてないシーンが到来し、ホーミニックの鋭いパウンドが王者の顔面を襲う。必死で手首を掴み、足をきかせるアルドだが、ホーミニックもパウンドで防御を振り払い、さらにパウンド、鉄槌を連打する。王者の蹴り上げにも、トップを譲らす、立ち上がることを許さないホーミニックの鉄槌、ボディへの攻撃が加えられ、アルドは完全にタイムアップを待つ持久戦に。

残り90秒、強烈な左のパウンドを見舞うホーミニックに、王者の頭が揺れる。左の連打、息を整えてから、無酸素のパウンド連打を見舞うホーミニックに王者が防戦一方に。しかし、王座奪取にはKOしかないホーミニックは、非常に限られたのなかでは、このラウンドを取り戻すのが精いっぱい。ホーミニックの反撃を懸命に堪えた王者は、試合終了と同時に両腕を挙げ勝利をアピール。

ホーミニックが、まだまだ元気だとばかりにプッシュアップを見せると、アルドも負けじと腕立て伏せを見せる。さらにアンドレ・ペデネイラスは肩車でアルドを抱え上げた。

結果、ジャッジの裁定は50−43、48−46、49−46で、王者アルドが初防衛に成功した。最終ラウンドのホーミニックの攻勢を無視した50−43のスコアリングはいただけないが、他2名の裁定は打倒といえるだろう。

「ホーミニックは素晴らしいファイターだ。立ち技が強かったけど、僕もムエタイを十分に練習して臨んだ。休養中に筋肉をつけすぎて、ちょっと減量がこれまでのようにいかなかった」と王者アルドに対して、ホーミニックは「まず、妻に感謝したい。試合を止めなかったジョン・マッカシーにもお礼をいいたい。もっと強くなって戻ってきたい。もっとテイクダウンから、グラウンドへ行けると思っていたんだけどね。ファンのみんなが、この試合を楽しんでくれたなら嬉しいよ」と、母国のファンの前で堂々のコメントを残した。