『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』で約3年ぶりの映画主演を果たした竹野内豊。©Julie Minami

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映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』の完成披露ジャパンプレミアが行われ、約3年ぶりの映画主演を果たした竹野内豊をはじめ、井上真央、ショーン・マッゴーワン、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、唐沢寿明、平山秀幸監督&チェリン・グラックが出席しました。

300Tfox-122日米開戦70年特別企画として製作された本作。元米海兵隊員ドン・ジョーンズが発表した小説「タッポーチョ『敵ながら天晴』大場隊の勇戦512日」と「Oba The Last Samurai」をベースに、日米双方の視点で描く真実の物語。太平洋戦争の激戦地サイパン島で、わずか47人の兵力で米軍4万5000人を翻ろうし、米軍側のハーマン・ルイス大尉らが畏敬の念を込めて“フォックス”と呼んだ実在の人物・大場栄大尉が主人公。

大場大尉を演じた竹野内は、「この国の平和は、戦時下における想像もできない苦しい体験があったからこそ。現地で撮影をしているうちに、日本人として忘れてはいけないことだと改めて痛感しました。生きるために戦い抜いた彼らの512日間を見届けてください」万感胸に迫る思いを語った。

300Tfox-164プレミアの中盤には「太平洋戦争を伝えるキャンペーン」の一環として、登壇者と約1,200人の観客が平和への祈りをこめて、一緒に千羽鶴を折る場面も。山田は「鶴を折る、この時間が平和だな」と端的に言い表していた。なお完成品は竹野内と山田、平山監督がサイパンに届けるという。また、1月2日の誕生日で不惑の40歳を迎えた竹野内、そして1月9日で24歳になった井上のために特大ケーキが登場。大場大尉の御子息・大場久充さんと、サイパンで大場大尉と戦い抜いた新倉幸雄さんが花束を携えサプライズ登場。「命の大切さ、戦争のむなしさを訴える素晴らしい映画。特に若い方に観ていただきたい。父も感激していると思う」と述べた大場さん。この言葉により、更に厳粛な雰囲気が場内を包みました。

最後に竹野内は、瞳を潤ませながら「ドン・ジョーズの原作がなかったら、大場さんたちのことを永遠に知ることはなかったと思います。ドンは、日本人として誇りを持ってほしいと強い思いで真実の記録を残してくださった。彼と、我が身をもって全力で最後まで戦ってくださった方々に、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。戦後一世紀も満たないうちに日米が合作してこのような映画を作れたことは素晴らしいとこと。日本人の心に残る映画になってくれたら嬉しいです」と語った。

英題=Oba: The Last Samurai
日本公開=2011年2月11日
配給=東宝
公式サイト=http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp/
©2011「太平洋の奇跡」製作委員会


――南樹里の“映画評マニエラ”はこちらから


Oba, the Last Samurai: Saipan 1944-45Oba, the Last Samurai: Saipan 1944-45
著者:Don Jones
Presidio Pr(1986-06)
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タッポーチョ―「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日 長編記録小説 (1982年)
著者:ドン・ジョーンズ
祥伝社(1982-12)
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