セリエA現役最年長のACミランDFアレッサンドロ・コスタクルタ(40)が1日、今季終了をもって現役生活に終止符を打つと宣言した。引退説が囁かれていたコスタクルタだが、本人が引退を明言したケースは今回が初めてとなる。

3−1惨敗に終わった31日のイタリア杯準決勝対ASローマ戦第2戦(第1戦は2−2)。ASローマのスピーディかつ破壊力抜群の攻撃陣を前に成す術なく崩壊したACミランDF陣。翌日のコスタクルタへの現地紙寸評は「5=2失点の責任は彼に。前半で退く(ガゼッタ・デッロ・スポルト)」、「4.5=彼にとって最悪な夜。先制点を献上。新獲得選手オッドにポストを譲る(コリエレ・デッロ・スポルト」。イタリア杯敗退のA級戦犯扱いとなったコスタクルタは試合の翌日に「5ヶ月後に現役を退くことを正式に発表する。ASローマ戦での失態もあったしね」と今季限りでの引退を宣言した。

85−86季からACミランに所属。試合経験を積むために、セリエC1モンツァに1年間レンタルで出されたこともあったが、ACミラン一筋のプロ人生を貫いた。FW陣の得点力不足が露呈した今季序盤戦、マルディーニ(38)やカフー(36)らとともにベテランの維持を見せて勝ち点獲得に貢献し続けた。サポーターからの信頼も厚く「ビリー」の愛称で人気を誇り、その存在はオヤジ世代の星となっていた。

「監督業にも興味はあるが、当分はマネージメントを学びたい。プラティニ(現UEFA会長)のことを常に憧れていたよ。ピッチ上でもピッチ外でもね」と将来像を明かしたコスタクルタのプロ人生は残りわずか。ベテランの誇りと維持を胸に秘め、最後まで全力を尽くす。

佐藤 貴洋