トッテナムとのリーグカップ準決勝で、延長戦の末、3−1の勝利を収めたアーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、見事決勝進出を決めた若手中心のチームを「史上最強」と褒め称えた。

 FWティエリ・アンリなどの主力を温存させながらも、順調にリーグカップを勝ち進んできたアーセナル。トッテナムとのノースロンドンダービーとなった準決勝でも、セオ・ウォルコットやデニウソンなど、10代の選手も名を連ねた若手中心のメンバーが躍動感溢れる試合を展開し、23歳のFWジェレミ・アリアディエールの決勝ゴールでファイナル進出を決めた。長期間に渡る育成の成果を目にしたベンゲルにとっては、感慨もひとしおのようだ。

「彼らは、私がこれまでに率いたチームの中でも最強の若手軍団だ。5年間の育成が遂に実を結んだ。彼らは自分たちの実力を存分に発揮してくれたよ。彼らは若いが、プレッシャーにも耐えうる強いハートを持っている。決勝進出に値するチームだ」

 さらにベンゲルは、チェルシーとの対戦が決まった決勝戦(25日)でも、大会を勝ち抜いた若手中心のチームで戦うことを約束した。

「我々を決勝まで導いてくれた若手選手は、決勝でもプレーさせるつもりだ。ティエリ・アンリを出場させるかって? 彼はこの大会で出場していないだろう。それは決勝でも同じだ」

 2004-05シーズンのFAカップを最後に、タイトルから遠ざかるアーセナル。リーグカップといえども、是が非でも手にしたトロフィーだが、知将ベンゲルは若手の経験を優先すると宣言する。その決断の裏には、自ら育てた若手への信頼と、絶大なる期待が込められているようだ。