アルゼンチンサッカー協会が23日に対フランス戦(2月7日、親善試合)のメンバーを発表したが、ゴンサロ・イグアイン(レアル・マドリー)の名前はなかった。

 イグアインはアルゼンチン人の両親をもつが、フランス生まれ。正式な国籍はまだいずれにも決めていない。期待の19歳がどちらの国のユニフォームを着るのか、注目が集まっている。フランス代表のドメネク監督が昨年11月15日の対ギリシャ戦にイグアインを招集したが、本人側は「所属クラブ(当時リバープレート)の大事なとき」との理由で出場を断っている。これは表向きの理由で、本人と父親はアルゼンチン代表でのプレーを希望しているとも伝えられた。またドメネク監督の「強引」な招集には、イグアインの代理人が不快感を表明していた。

 24日付「レキップ」紙によると、ドメネク監督は今月中にも、イグアインを口説きにマドリードを訪れる予定。しかし同紙は「イグアインとその周囲は正式にアルゼンチン国籍を申請する手続きをとった」と報じている。

 元アルゼンチン代表のマルセロ・ガジャルド(パリ・サンジェルマン)は、「ゴンサロはフランス語を一言もしゃべれない。想像してごらんよ、フランス代表の更衣室に入っても、チームメイトが何を話しているかまったく理解できないんだ」と同紙にコメントしている。

 ただしレアルに所属するイグアインにとっては、EU(欧州連合)圏外選手枠を考えて、フランス国籍をとるのが賢明な選択であることもたしか。

 ドメネク監督が対アルゼンチン戦のメンバーを発表するのは2月1日。それまでに本人の口から「究極の選択」の結果が発表される可能性もある。