6速MT搭載の日産「悪魔の“Z”」実車初公開! 旧車デザインで「伝説のブルー」採用! 直6L搭載した「ワイドなデビル240Z」 ENEOSなぜ展示? 米で披露

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「悪魔のZ」インスパイアのワイドボディな初代Z! SEMA 2024

 2024年11月5日から8日まで開催されたSEMAショーにて「悪魔のZ(Devil Z)」が公開されました。
 
 深いブルーボディのZはどのような経緯で誕生したのでしょうか。

SEMA2024で披露された「悪魔のZ」がスゴい! なぜ誕生?

 SEMAショーはSEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)が1967年より年に一回開催している、アフターマーケットの見本市です。

【画像】超カッコイイ! これが「悪魔のZ」です!(51枚)

 アフターマーケットとはクルマの購入後に関わるすべての物事を意味し、外装のカスタムからエンジンのチューニングだけでなく、タイヤやホイール、塗装、ラッピング、リペア用品、カーケア用品、電装品、工具、整備用品など、さまざまな会社・ブランドがSEMAショーで新商品をお披露目します。

 また、それら用品だけでなく、一緒に展示されるデモカーとしてのカスタムカーも会場を彩る要素のひとつです。

 開催当初はアメリカらしくホットロッドやオフロード、ピックアップトラックが中心でしたが、ここ十数年は日本車人気の煽りを受け、スポコンやドリフト系に関連する展示も目立っている状況で、その市場規模は全体で476億ドルに達します。

 自動車メーカーも著名チューナーとタッグを組んだり、自社の開発部門やモータースポーツ部門が自由な発想で作り上げたド派手なカスタムカーを展示します。

 2024年のSEMAショーは例年通り、ネバダ州ラスベガスにて11月5日から8日までの4日間で開催されました。2400以上の企業・団体が出展し、各々の新製品やカスタムカーを展示しました。

 近年は日本企業として自動車メーカーだけでなく、チューニングショップやパーツメーカー、エネルギー企業なども頭角を現しつつあります。

 その中でも、今回でSEMAショーへの出展10周年を迎えた「エネオス」が展示した、日産「フェアレディZ」が話題を呼びました。

 会場に現れたフェアレディZはアメリカで「ダットサン」ブランドから発売された1971年型240Zで、フェアレディZとしては初代となります。

 初代Zは日産がアメリカで大成功を収めた象徴的な存在で、今でもアメリカではチューニングカーとして絶大な人気を誇ります。

 エネオスが展示した初代Zはジョン・ラウ氏が漫画「湾岸ミッドナイト」に登場する「悪魔のZ」からインスパイアを受けて作り上げたものです。

 ラウ氏がコラボしたのはフィリピン出身のカーデザイナー、ジョン・シーバル氏です。

 シーバル氏も幼い頃からゲームや漫画などでクルマ文化に触れてきた過去を持っていると話しており、そういう意味では今回の「悪魔のZ」から着想を得たプロジェクトは、まさに彼にぴったりだと言えるでしょう。

 シーバル氏がデザインしたワイドボディキットは初代Zのシルエットとマッチしながら、さらに存在感を押し上げる役割を担っています。

悪魔のZは見た目も中身も凄すぎた… まさに悪魔!? どんなスペックなのか?

 外装色はフェアレディZの純正色ではなく、鮮やかで深みのあるポルシェの「サンマリノ・ブルー・メタリック」で仕上げました。

 ホイールにはワークマイスターM1を選択、フロント17インチ x 11.5J、リア18インチ x 13Jという驚異的なサイズのものをトーヨータイヤのPROXES R888Rと組み合わせて履いています。

 ホイールの奥には前後ともに特注の4-potキャリパーと直径340 mmのカーボンセラミック製ローターが姿を覗かせており、足元に彩りを加えています。

 肝心の心臓部にはL28型2.8リッター直列6気筒エンジンを搭載しますが、87 mmのフラットトップピストンを用いて3リッターまでボアアップしている仕様です。

 これ以外にもギャレット製G35-900ターボチャージャー、HKS製ブローオフバルブ、ターボスマート製WG45ウエストゲート、プロ・チューナーZ製ターボマニフォールドといったチューニングを施しています。

 燃料系統にはエタノールを85%混合させた「フレックス燃料」や、亜酸化窒素を噴射する「NOS」も採用し、これらすべてをハルテックのECUで制御させています。

 トランスミッションはインフィニティ「G37(V36型スカイライン)」の6速MTを軽量クラッチやフライホイール、そしてフォード製トルセンLSDと組み合わせています。

エンジンヘッドには「DEVIL Z」と悪魔が持っているとされる農具「ピッチフォーク」のロゴがある(現地撮影:加藤博人)

 内装では左右2脚ともにレカロGTとサベルトの4点式ハーネスが目立ちます。

 シートやドアトリムはブラックとレッドのツートン仕様に仕上げられており、まさに「悪魔」をイメージしているとのこと。

 これ以外にも、シフトノブやオイルフィラーキャップ、エンブレムには西洋における悪魔が持っているとされる農具「ピッチフォーク」をかたどったロゴがあしらわれています。

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 エネオスはこの初代Z以外に著名ドリフト選手がレストアしてカスタムした初代セリカ。

 屋外ブースでは3.3リッターまでボアアップした1995年型トヨタ スープラ、フォルクスワーゲンの2.8リッター VR6エンジンを換装した1960年型ルノー ドーフィンなど、多彩なカスタムカーを展示しています。