◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第5戦 インドネシア0―4日本(15日、インドネシア・ジャカルタ)

 C組1位の日本(FIFAランキング15位)はインドネシア(同130位)と対戦し、4―0で快勝した。最終予選4勝1分け負けなしで、日本代表記録を更新する26試合連続得点をマーク。C組でさらに抜け出した。

 日本は前半35分にインドネシアのオウンゴールで先制。5分後にはMF南野拓実(29)=モナコ=が日本代表歴代10位タイの通算24ゴール目となる追加点を挙げた。後半4分に守田英正(29)=スポルディング=、同24分に菅原由勢(24)=サウサンプトン=が得点し、4―0で大勝した。

 元日本代表FW鈴木隆行氏(48)は、序盤のやや苦しい展開を救ったGK鈴木彩艶(22)=パルマ=と、日本が得意とするサイド攻撃の対策が取られても、中央で打開した南野と鎌田大地(28)=クリスタルパレス=を高く評価した。

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 序盤は、ピッチコンディションの悪さによって、日本の持ち味の速いパスワークがは消され、時折、見せるインドネシアの速くて鋭いカウンターを受けた。最近の試合の中では一番苦しい展開となった。

 また、インドネシアのフォーメーションやサイドでの三笘への対応には「日本の武器であるサイド攻撃を絶対にさせない」という強い意思を感じた。徹底的に日本の対策をしていることは明らかだった。

 アウェーのスタジアムの熱狂的な応援で、日本にとって嫌な雰囲気が漂う中、チームを救ったのはGK鈴木だった。前半9分、インドネシアのカウンターから抜け出され、1対1に。安易に飛びつかず、冷静に切返しに対応したプレーは鈴木の成長と自信を感じた。決められていれば、全く違った試合となっただろう。

 そして、今回は、何とも言っても、南野と鎌田のポジション取りとスペースへ動きが勝利を引き寄せた。インドネシアはサイドを警戒するあまり、中央に緩さがあった。そこを南野と鎌田が突いた。最終ラインと中盤の間で受け、中央を崩した。得点シーンも2人のスペースへの飛び出しから生まれた。

 ひと昔であれば、日本の得意な攻撃が押さえられたら、攻撃が行き詰まることが多かった。しかし、今の日本はサイドがダメならば中央の選手が活躍する力がある頼もしいチームになった。(元日本代表FW)