親密な日テレから“出禁”テレ朝まで…裁判終結の松本人志「各局との関係図」と「地上波復帰の現実味」
「不透明感」を残したままの幕引き
松本人志(61)の性加害疑惑をめぐる裁判に大きな動きがあった。
文藝春秋などを相手に起こしていた5億5000万円の損害賠償と訂正記事の掲載を求める訴訟を、11月8日付けで取り下げた。さらに同日、松本側はコメントを発表。その中で「訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認」した上で、「参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」と謝罪したのだ。
「訴えの取り下げというのは、相手方(文春側)の同意が必要です。つまり、松本さん側から訴えの取り下げを求めて、文春側が同意したということです。しかし、幕引きを図った側の松本さんのコメントには曖昧な点が多い。『強制性の有無を直接に示す物的証拠はない』という部分ははっきりしていますが、それ以外の大部分は不透明なままです」(レイ法律事務所・河西邦剛弁護士)
もともと、週明けの11月11日には第2回弁論手続きが行われることになっていた。しかし、その審理を前に松本側から文藝春秋へ申し入れがあり、和解交渉が進められてきたという。今回の訴訟取り下げについて所属元の吉本興業に取材を申し込んだところ、
〈松本裁判は、原告、被告とも双方話し合いの上、裁判終結にいたりました。金銭の授受が伴わないので和解ではなく、話し合いで解決したということです〉
と、回答があった。
「元々、松本さん側は文春記事の真実性を裁判所に否定してもらうために訴訟提起しました。他にも損害賠償の請求や文藝春秋からの謝罪も求めていました。しかし、それらについて何も達成されていないのに、裁判を終結させてしまった。これでは『松本さんが諦めた』と見られても仕方ないかと思います」(同前・河西弁護士)
騒動を経た後の「民放各局との距離感」
急転直下の展開となった「松本裁判」。今回の訴訟取り下げについて、キー局関係者は「これで松本の地上波復帰への道はかなり厳しくなった」と嘆息する。
「松本さんは『強制した証拠はない』と語ってはいますが、飲み会への参加などは認め、謝罪の言葉も口にしています。終結宣言を出しただけでは傷ついたイメージを回復することはできなかった。そうなると、コンプライアンス重視の現代ではリスキーすぎて使えません。せめて記者会見を開くなどして、松本さんの口から直接、隠すことなく説明が行われるなどすれば別でしょうが……」
裁判自体が終結したとはいえ、それがすぐさま芸能活動の再開と結びつくわけではないようだ。実際に、芸能活動を休止していた「空白の10ヵ月」の間だけでも、松本と、主戦場であったテレビ局との関係性は様変わりしている。
「もともと本人が“出禁ネタ”でイジっているテレビ朝日との距離感は遠いままで変わっていません。フジテレビも、今年1月の『ワイドナショー』出演騒動で大バッシングを浴びた経験がある以上、少なくとも復帰の口火を切ることはないでしょう。
キー局で最も距離感が近かったのが日本テレビです。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』などの仕掛け人が、執行役員などを務めた“日テレバラエティのドン”です。毎年ゴールデンウィークあたりには、年末の『ガキ使特番』復活への“松本詣で”をしていることは有名で、関係性は良好。騒動後も『水曜日のダウンタウン』など看板番組を残したTBSも、距離感は近いままでしょう」(芸能プロダクション関係者)
しかし、良好な関係性にある日テレやTBSで地上波復帰が実現するかといえば、先に語ったように可能性は高くはないようだ。
「難しいでしょうね。事実関係がまだはっきりしないうちに、松本は一方的に活動休止を発表し、番組を降板してしまいました。当然、番組サイドに迷惑をかけています。現実的に考えれば、まずは配信サービスから始める形になるのではないでしょうか。自身がプロデューサーを務める『ドキュメンタル』や『FREEZE』(Amazonプライムビデオ)あたりが候補でしょう」(前出・キー局関係者)
一つの節目は迎えたが、芸能界復帰への道はまだまだ遠そうだ。