相次ぐ「闇バイト」強盗、応募者や家族の保護46件…警察庁「脅されても勇気出して相談を」
首都圏などで相次ぐSNSの「闇バイト」を実行役にした強盗事件を巡り、警察庁は8日、闇バイトに応募した人に保護を呼びかける動画を同庁が公開した先月中旬以降、今月7日までの約3週間で、応募者やその家族を保護したケースが全国で46件に上ったと発表した。
事件の多発を受け、同庁は先月18日以降、阿波拓洋・生活安全企画課長が2度にわたり、闇バイト募集の手口などを解説した動画を公開。脅迫を受けて闇バイトに加担しようとしている人たちに対し、「確実に保護する」「今すぐ引き返して」などと呼びかけた。
同庁によると、動画の公開以降、全国の警察に「闇バイトと知って怖くなった」などの相談があり、今月7日までに関東や関西を中心に、各地の警察が保護を実施した件数は46件に上った。10〜20歳代が半数以上を占め、危害が及ばないように、本人のほか家族を保護したケースもあった。
保護された10歳代女性はSNSの「インスタグラム」で闇バイトに応募。特殊詐欺の被害金を受け取る「受け子」などの仕事を指示され、拒否したところ、電話で脅された。事前に個人情報を送っており、親族の携帯電話にも着信があったことから恐怖を感じて警察に相談したという。
X(旧ツイッター)上の「高額収入」をうたう募集に応じた40歳代男性は、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」に誘導されて運転免許証の写真などを送信。指示された内容が、犯罪に関わるものだったためシグナルのアプリを削除したところ、留守番電話に、「自宅に行く。お前逃がさないからな」といったメッセージが残されていたという。
警察庁は全国の警察に対し、相談者らを避難させたり、関係先のパトロールを強化したりするよう指示している。同庁の担当者は、「脅されても勇気を出して相談してほしい」と語った。
動画は、警察庁の公式ユーチューブチャンネルで視聴できる。