ロス五輪を視野に続投会見を行ったトム・ホーバス監督（右）と三屋裕子会長（撮影・藤川資野）

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　バスケットボール男子日本代表の監督として日本協会と契約を更新したトム・ホーバス氏（５７）が５日、都内で記者会見を行った。１次リーグ敗退となった今夏のパリ五輪を終え、２８年ロサンゼルス五輪を視野に日本協会から届いていた続投オファーを約２カ月間の熟考の末に承諾。「ロス五輪まで４年間、新しいチャレンジが楽しみ。パリ五輪の目標は８強だったが、できなかった。ロスでは８強に入りたい」と決意を新たにした。

　パリからロスへ、ホーバスＪＡＰＡＮで夢の続きを見にいく。続投会見に臨んだ指揮官は「（３年前）女子から男子（監督）に変わったが、思ったより（世界は）難しかった。ロスまで４年間のチャレンジだが、今回は（チーム事情なども）わかっている。選手ともいろいろ話したが、うちの仕事は終わってない。４年後にどこまでいけるか楽しみ」と前向きに語った。

　４８年ぶりに自力で出場権を得た今夏のパリ五輪では、銀メダルに輝いた強豪フランスと大接戦を演じるなど健闘したものの、結果的には０勝３敗で１次リーグ敗退。指揮官の去就が注目されていたが、日本協会の三屋裕子会長が「パリ前から次もトムでいきたいと考えていた。（代替の）セカンドプランはなかった」と明かしたように、五輪後すぐに正式オファーが届いた。ただ、母国に帰っていたホーバス氏は「迷っていた」と、一時は協会との連絡を絶って熟考していたという。

　五輪直後は「バスケのことはほぼ考えなかった」と日々ビーチを散歩したり、普段なかなか会えない孫と遊んでリフレッシュ。徐々に情熱に灯がともり、最終的には主要な代表選手１人１人と電話で対話し、前向きな意見に背中を押されたという。「いろいろあったが、（日本のことわざで）７回落ちて８回立つ（七転び八起き）、そういう気持ちだった」。

　パリ五輪を闘った河村勇輝（グリズリーズ）がＮＢＡデビューするなど日本バスケ界が盛り上がる中、国内の新戦力も含めて門出を迎える２１日のアジア杯予選・モンゴル戦（栃木）が再出発後の初陣となる。日本バスケを熟知する知将は、新たな抱負について「勝ちたい。うまくなりたい。（まずは）アジア杯で優勝したい」と自信と期待をにじませた。