ドラフトで指名され、笑顔を見せる見せる楽天1位・宗山塁(中央)と日本ハム3位・浅利太門(左隣)=撮影・伊藤笙子

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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(24日、都内ホテル)

 運命の糸の色はクリムゾンレッドだった−。今ドラフトの超目玉候補・宗山塁内野手(21)=明大=は5球団競合の末、楽天が交渉権を獲得した。最大級の評価を受けたスター候補生は「この日を迎えるために野球を頑張ってきた。その成果としてこういう評価をしていただけて非常に良かったと思います」と真っすぐなまなざしでうなずいた。

 運命の瞬間、表情は一切変わらなかった。楽天、西武、ソフトバンク、日本ハム、事前に指名を公表していた広島の5球団の入札が重複。抽選を経て、楽天・森井球団社長のガッツポーズが映し出された画面を見る顔色も“無”に近かった中、「ここまでの球団に指名していただくイメージはあったけど、実際に指名された瞬間は驚きがあった。表情に出さないように、いつも通り平常心でいようと思っていた」と明かした。

 導かれたのは杜(もり)の都だ。楽天のイメージについて、「若い選手からベテランの選手まで非常にレベルの高いチーム」と言及。「どこの球団になっても、そこでとにかく頑張るだけ」と謙虚に力を込めた。

 今春の侍ジャパン強化試合メンバーにも選出された逸材。楽天には今季135試合に遊撃としてスタメン出場した村林がいるが、「どこでも出るという気持ちはあるけど、ショートへのこだわりはもちろんあります」と腕をぶした。

 今後は即戦力として大きな期待を受けることになる。「まずは開幕から試合に出たいという思いが強い。新人王も目標にやっていきたいと思います」と来年の青写真を描いた宗山。東北の地で球界のスターへとのし上がる。

 ◆宗山 塁(むねやま・るい)2003年2月27日生まれ。21歳。広島県三次市出身。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。小学1年から三良坂少年野球クラブで野球を始め、中学時代は軟式の高陽スカイバンズでプレー。広陵では1年夏からベンチ入りし、同年夏と2年春に甲子園出場。明大では1年春途中からレギュラーをつかみ、2年春は首位打者。ベストナインは3度。今年3月に侍ジャパントップチームに選出されるも、オープン戦で受けた死球による右肩甲骨骨折が判明し欠場。