ジョン・カービー大統領補佐官(23日)=ロイター

写真拡大 (全2枚)

 【ワシントン=池田慶太】米政府は23日、少なくとも3000人の北朝鮮兵がロシア東部に移動し、ウクライナ軍との戦闘に加わることを念頭に訓練を受けているとの分析を公表した。

 ロイター通信は米当局者の話として、北朝鮮部隊が露西部クルスク州で越境攻撃を続けるウクライナ軍との戦闘に投入される可能性があると報じた。

 ジョン・カービー米大統領補佐官は記者会見で、北朝鮮の兵士らが今月上旬から中旬にかけ、東部・江原道(カンウォンド)の元山(ウォンサン)付近から船で露極東ウラジオストクに移動した後、東部の3か所で訓練を続けていると明らかにした。

 カービー氏は、ロシアが北朝鮮に兵力で依存することについて、「弱さの表れだ」と述べた。北朝鮮への軍事訓練の提供は国連安全保障理事会決議違反にあたるとして、数日中に追加制裁を科すと表明した。

 一方、露下院は24日、ロシアと北朝鮮の軍事協力を強化する「包括的戦略パートナーシップ条約」の批准に向けた法案を可決したと発表した。近く上院の可決とプーチン大統領の署名を経て成立する見通し。同条約4条は、いずれかが別の国家から武力侵攻を受けて戦争状態となった場合、軍事支援を行うことなどを定めている。北朝鮮兵を派遣する法的根拠となる可能性もある。