東京株式市場では、過去の値動きを基に「総選挙は買い」と言われる。

 しかし、24日の日経平均株価の終値は3万8143円29銭と、衆議院が解散した9日の水準を約1134円下回り、経験則は覆されそうだ。市場関係者は「選挙期間中の株安は投資家の政治不信を反映している」(末広徹大和証券チーフエコノミスト)と指摘する。

 戦後に東証が再開されて以降、衆院解散後の総選挙は24回あった。このうち19回で、解散当日から投開票日直前の取引日までに日経平均は上昇した。与野党ともに景気対策など前向きな公約を掲げ、投資家の期待が増すためだ。

 上昇率が最も高かったのは自民党が大敗し、民主党政権誕生につながった2009年8月総選挙にかけての9%高。今回は「自民党の大幅な議席減予想が株価を押し下げている」(市川雅浩三井住友DSアセットマネジメントチーフマーケットストラテジスト)という。

 自民党の議席減という総選挙の見通しは同じでも、株価は対照的な動きを示している。「09年は政権交代の期待が株価を押し上げたが、今回は自民党への不信感と野党への期待の乏しさが株売りを招いている」(末広氏)形だ。