住人の女性が連れ去られた住宅(17日、市川市柏井町で)

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 千葉県市川市柏井町の民家で17日、住人の会社員女性(50)が男3人から殴る蹴るなどの暴行を受けて連れ去られた事件で、男らが民家に侵入する前後、監禁の疑いで逮捕された住居・職業不詳の藤井柊(しゅう)容疑者(26)が秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」の音声通話で何者かとやりとりしていたことが、捜査関係者への取材でわかった。

 通話の相手は、指示役だったとみられる。

 発表などによると、17日午前7時頃、女性と同居する母親(72)から「玄関の鍵が開けられ、室内が荒らされている」と110番があった。母親は夜勤を終えて帰宅したところで、室内にあった財布から現金がなくなっていた。女性とも連絡がとれず、女性の車もなくなっていた。一方で、室内には粘着テープが残されていた。

女性の車で連れ去る

 捜査関係者によると、事件に関与したのは、藤井容疑者とみられる男ら3人で、歩いて民家に到着。室内に侵入すると、就寝中の女性に暴行し、粘着テープで全身を縛った。敷地内に止められていた女性の車に女性を押し込み、3人も同じ車に乗車。民家から立ち去った。

 女性は17日夜、埼玉県川越市内の宿泊施設で保護され、千葉県警は一緒にいた藤井容疑者を監禁の疑いで現行犯逮捕した。女性は顔を殴られるなどの大けがを負っていたという。

 事件を巡って県警は18日、いずれも自称で横浜市旭区南希望が丘、内装工高梨謙吾容疑者(21)を強盗致傷と住居侵入の疑いで逮捕した。所持していた携帯電話には「シグナル」がインストールされており、県警は指示を受けていたとみている。「闇バイト」を実行役とした別の強盗事件への関与をほのめかしているという。