今年、ポーランドのワルシャワでチェス競技に臨むキリル・シェウチェンコ氏/Andrzej Iwanczuk/NurPhoto/Getty Images/File

(CNN)チェスの最高位「グランドマスター」の称号を持つルーマニアの選手が、全国大会レベルの試合中にモバイル機器を使ったとして失格になった。大会主催者が14日に発表した。

発表によると、世界ランキング69位のキリル・シェウチェンコ氏(22)は、アフリカ大陸北岸にあるスペインの飛び地、メリリャで開催されたスペインのチーム対抗戦に出場していた。

失格となった結果、同氏が引き分けた最初の2試合は負けと判定された。

スペイン・チェス連盟は、いかなる不正にも強い対応を取るとの姿勢を強調した。シェウチェンコ氏が参加していたチームはフェイスブック上の声明で不正行為を非難し、同氏との関係を打ち切ったと発表した。

チェス専門サイトの「チェス・ドット・コム」によると、シェウチェンコ氏は試合の最中に長時間ボードを離れる不審な動きがみられた。その後、トイレの個室からモバイル端末と、同氏の筆跡に似たメモが見つかった。本人は試合中に疑いをかけられた際、不正を否定したという。

これに対し、ルーマニアチェス連盟は声明で、今のところ正式な連絡はないと述べ、「確実な証拠」が出るまで結論を出さず、本人を擁護するとの立場を示した。

シェウチェンコ氏はウクライナ出身で2017年にグランドマスターの称号を取得し、ルーマニアの連盟に移籍した。昨年は世界ランキング39位を記録していた。