「ア・リーグ・優勝決定シリーズ ヤンキース6−3ガーディアンズ」(15日、ニューヨーク)

 ヤンキースが快勝し、2勝0敗とリードした。主砲のアーロン・ジャッジ外野手が七回にダメ押しのポストシーズン1号2ラン。ワールドシリーズ進出へ、不振を極めたMLB本塁打王が目覚めた。

 1死一塁から迎えた第4打席だ。外角高めのストレートを完璧に捉えると、打球は長い滞空時間を経てバックスクリーン右に飛び込んでいった。スタンドは大歓声に包まれ、ジャッジもダイヤモンドを一周しながら興奮状態。苦しんだ主砲に大きな一発が飛び出した。

 試合後、グラウンドインタビューでは「僕が打ったということよりも、2点を加えられたことが大きい」と語ったジャッジ。第3戦へ「同じモチベーションで戦っていく」と力を込めた。

 この試合までポストシーズン計5試合で打率・130、0本塁打と低迷していたジャッジ。この日も初回無死一、三塁の好機で高々とポップフライを打ち上げた。相手遊撃手の失策により先制点を奪った。

 ただ二回、思わぬ屈辱が待っていた。1死二、三塁の状況で前打者のソトが敬遠された。ガーディアンズベンチの思わぬ満塁策にスタンドはざわついた。MLB本塁打王が眼前で敬遠される屈辱を受けたが、中犠飛で最低限の仕事を果たしたジャッジ。そして2点リードの七回、歓喜の瞬間を引き寄せた。

 先発のコールは五回途中2失点で降板するも、リリーフ陣が奮闘。ブーン監督の小刻みな継投もはまった形となり、2009年以来のワールドシリーズ進出へ大きく前進した。ジャッジも「ブルペンが強いチームの方が勝ち上がる」と宣言。勢いが生まれる2連勝だ。