[10.15 W杯アジア最終予選 日本 1-1 オーストラリア 埼玉]

 オーストラリア代表は90分間を通してシュート1本、枠内シュート0本ながら、オウンゴールによる得点で1-1ドローに持ち込み、敵地で貴重な勝ち点1を獲得した。

 トニー・ポポビッチ監督は試合後の記者会見で「この結果は良い結果。今の状況を考えると良かったと思う」と評価した。オーストラリアメディアによると、試合前に事故渋滞の影響でチームバスの到着が遅れ、十分なウォーミングアップをすることができなかったという。

 このことについて指揮官は「遅くても90分で着くと聞いていたが、(到着まで)2時間15分かかった。十分な準備ができず、到着して10分で準備をした」と説明。それでも「ウォーミングアップも十分できなかったが、言い訳はしない。スタッフを含め、しっかり対応して、良い試合ができたと思う」と、アクシデントに動じなかった選手たちを称えた。

 前半を0-0で折り返すと、後半13分、中盤のセカンドボールを回収して右サイドに展開。ルイス・ミラーが折り返したアーリークロスがDF谷口彰悟のオウンゴールを誘い、先制に成功した。後半31分に同じくオウンゴールで失点したが、その後も体を張った守備で2点目を許さなかった。

「固い意志を持ってDFが守ってくれた。DFだけでなく、チーム全体で努力をした」。そう守備面を評価したポポビッチ監督は「私の足し算が正しければ、日本はこれまで(最終予選の3試合で)14得点している。日本のスタメン全員が欧州のトップでプレーしている。そういう相手に対し、相手のチャンスを最少化できたのはとても良かった。質の高い日本を相手になかなかしのげなかったが、DFが組織的に守りを組み立ててプレーできた」と強調した。

 9月シリーズで1分1敗に終わったオーストラリアは、グラハム・アーノルド前監督が退任し、ポポビッチ監督が就任。その初陣となった10日の中国戦で3-1の逆転勝利を飾ると、就任2戦目の日本戦で勝ち点1を持ち帰ることに成功した。「この2試合で勝ち点4を積み上げたことは嬉しく思っている。次はさらに良い結果を残したい」と、大きな手応えを手にした様子だった。

(取材・文 西山紘平)