心身一如の那須川天心、ボクシング初戴冠 天井知らずの進化を見せつけて余裕のマイク「大事な顔に傷ついた。大丈夫?」

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強打のアシロを類まれなテクニックで圧倒した那須川。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 まさに心身一如。“神童”は着実にボクシング界のスターダムをのし上がっている。

 10月14日、東京・有明アリーナで行われたWBOアジアパシフィック王座決定戦で、那須川天心(帝拳)は、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)に判定勝ち。転向してから無敗記録(5勝0敗)を維持するとともに、ボクシング転向後初のタイトルを手にした。

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 戦前の会見で「(ボクシングに)めっちゃハマってる。好きなんです」と目を輝かせ、ボクサーとしての充実ぶりをうかがわせた那須川。その言葉通りにリング上で「グラディエーター」の異名を持つアシロを倒した。

 序盤からプレッシャーをかけてきたアシロを、軽やかなステップワークからの鋭いジャブでいなした那須川。一撃必殺のカウンターを武器にする相手が圧力を強め、積極果敢にストレートを繰り出す中でも冷静に駆け引きを展開していく。

 そしてカウンター気味に繰り出した左ボディーで9回にようやくダウンを奪って先行。これで勢いに乗った26歳は、最終10回も距離を縮めながらアシロとの打ち合いに応じた。

 試合をKOでは終わらせられなかった。それでも追い求める「流れの中で倒す」スタイルを模索するパフォーマンスを見せた。そんな試合運びに手ごたえがあったのだろう。本人もリング上でのマイクでは「腰にベルトが巻かれたんですけど、(バッティングによる出血で)俺の大事な顔に傷ついたんですけど、大丈夫ですか?(笑)」と余裕のアピール。初のタイトルを手にし、その言葉には説得力が今まで以上に帯びてきている。

 果たして、ここから那須川はどこまで突き進むのか。その進化の天井はいまだ見えない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]