「光る君へ」彰子さま役でブレイク、見上愛の意外な素顔 仕事をした映画監督は「オッサンぽい性格と感じることも(笑)」
どんなドラマ作品においても、ターニングポイントとなる名シーンは付き物だが、そこに登場するのは必ずしも主人公とは限らない。NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演中の新人女優・見上(みかみ)愛(23)の“大化け”ぶりが話題だ。そんな彼女で思い出すCMといえば……。
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【写真を見る】「よく間違えられる」というほど見上とそっくりな女優と2ショット
見上が演じる中宮彰子は藤原道長(柄本佑)の長女で、一条天皇の后。日本史の教科書にも載っている重要人物である。
父・道長が娘に望むのは、未来の天皇となる皇子を産み、一族に繁栄をもたらすことに他ならない。そのプレッシャーから彼女は晴れない表情で日々を過ごすが、吉高由里子演じる主人公・紫式部によって、徐々に己を取り戻していく。
表舞台に立ち始めたのは3年ほど前
視聴者の心をわしづかみにしたのは、先月15日の放送回「中宮の涙」だろう。
一条天皇に突然、彰子は「お慕いしております」と直球で思いを伝えたのだ。
これまでの無表情から一転、情感豊かに涙を流した彼女は、やがて懐妊。次の放送回でも、鬼気迫る表情で出産シーンを演じ切ってみせたのだった。
SNSでも〈「お慕いしております」砲〉などと称され、「彰子さま」がトレンド入り。大河初出演ながら、主役の吉高もかすむ存在感を見せた見上だが、実は業界では元々、知る人ぞ知る存在なのだという。
「まだ聞きなれない名前の女優さんだと思う方も多いと思いますが、確かに表舞台に立ち始めたのは、3年ほど前のことなのです」
そう振り返るのは、芸能界関係者だ。
「JRA(日本中央競馬会)が2022年の年間プロモーションキャラクターに、長澤まさみと共に起用したのが見上だったんです。決定直後、彼女が所属するワタナベエンターテインメントの社員でさえ、自社の名鑑を引き直していました」
「競馬ファンにはおなじみ」
JRAの仕事は、契約額とスポットCMなどの露出度から業界でも1、2を争う人気案件だという。
競馬担当記者によれば、
「過去には高倉健、木村拓哉、明石家さんま、中居正広らきら星のごときスターらがその座を射止めています。17年からはファンの若返りと女性への訴求のため、松坂桃李、柳楽優弥、高畑充希、土屋太鳳の4名に、19年から中川大志、葵わかなを加えた6名が21年まで務めていました」
そして心機一転、長澤と当時は無名の見上が3年連続で起用され続けている。
「スケジュールが多忙な長澤に代わり、見上は地方の競馬場でのイベントにもマメに顔を出して競馬ファンにはおなじみです。大河と同じく、大女優に負けない存在感を醸し出すことに長けていますね」(同)
「オッサンぽい性格」
見上と仕事を共にした映画監督の熊坂出氏に聞くと、
「私が初めて見上さんと出会ったのは、まだ彼女が20歳になる前の頃でした。映画『プリテンダーズ』の主演・小野花梨さんの相棒を探していたんですが、見上さんは若いのに、“もっと私にかまって”というような幼い自己主張や余計なプライドがないので、作品でも主役を立てる態度に徹してくれました。私のような大人の世代と話していても、相手のことを理解しようという姿勢なんです」
これは演者として必須の条件だとも熊坂氏は言う。
「演劇は基本的に相互理解。相手のセリフを聞いて何を要求されているのか、理解しながら受け答えしていくものですが、彼女は最初からそれを理解して演じていました。普段は元気でおしゃべりな子でもありますが、大人とキチンと意思疎通できる。サバサバしてオッサンぽい性格だなと感じることもあります(笑)」
平安貴族の世界と同じく、嫉妬が渦巻く芸能界でも生き残る逸材となれるか。
「週刊新潮」2024年10月10日号 掲載