就任会見に臨んだオリックス・岸田護新監督【写真:北野正樹】

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オリックス・岸田監督「情熱を持って。そこを大事にやっていきたい」

 紺色のネクタイを首元までビシッと締めた。オリックスの岸田護監督が11日、大阪・舞洲の球団施設で就任会見に臨んだ。中嶋聡前監督が6日の今季最終戦後に電撃退任。「驚きと不安と今、緊張と……。率直な気持ちです」。5日後には就任会見を行う“スピード就任”で、再建への尽力を誓った。

 岸田監督は2005年大学生・社会人ドラフト3巡目でNTT西日本からオリックスに入団。チーム一筋を貫き、2019年限りで現役を引退した。プロ14年間で通算433試合に登板し44勝30敗、63ホールド63セーブ、防御率2.99。現役引退後の2020年から指導者となり、投手コーチを務めていた。

「長く、ずっとオリックス一筋でやらせて頂きました。要請を受けましたので、チームの力になろうと引き受けました。今年は勝てなかったんですけど、中嶋監督も最後に言われていた慣れは選手に限らずあった。中嶋さんに任せておければなんとかなるという雰囲気がありました。まずはチーム一丸となって、そこからがスタートかなと思います。情熱を持ってやっていくことを大事にしたい」

 43歳での監督就任。「プロ野球は本当にお客さんに見てもらう商売だと思います。熱い気持ちだったり、そういうところをフィールドの場でパフォーマンスするのが最大の仕事だと選手の時から思ってきました」。胸に秘める闘志は熱い。

 2021年からリーグ3連覇を果たしたが、今季は63勝77敗3分けでリーグ5位に終わり、シーズン最終戦だった6日に中嶋監督の退任を発表していた。岸田監督は「本当に実力のある選手が多いと思っています。実際、3連覇もして強いチーム。すでに強いチームだと思っています」と背筋を伸ばす。

 だからこそ、守ってほしいものがある。「中嶋監督も最後に言われていました『慣れ』という部分は選手に限らず。本当に中嶋さんに任せておけばなんとかなるという空気はあった。もう一度みんな一丸となって、同じ方向を向いて戦っていけたら。そこがまず第一歩かなと思っています」。

 新体制で、まずは基本に戻るが「無理に厳しさだけを強調したとしても、きっと薄っぺらいものになっていくと思います。響かないことよりも、情熱を持って。そこを大事にやっていきたいと思います」。現役時代のマウンド同様に、気迫を前面に出し切る。(真柴健 / Ken Mashiba)