真冬の夜に本を差し出してくる小樽の妖精アナタニサマ、読み出すと凍死してしまう…「目撃写真」がカレンダーに
大正から昭和初期にかけて北海道の小樽の街に出没したとされる、小説の中のキャラクター「アナタニサマ」の2025年版カレンダーが完成した。
11〜16日に小樽市稲穂の複合文化施設「裏小樽モンパルナス」で開かれる「アナタニサマのいる街、再び」展で販売される。
アナタニサマは真冬の夜、「アナタニ……」と言って本を差し出してくる文学の妖精。受け取って読み出すと、おもしろくて止まらなくなり、その場で凍死してしまうという、ちょっと怖い物語の主人公だ。
創作したのは、札幌市在住の美術ユニット「ReguRegu(レグレグ)」の2人。架空の「目撃証言」をもとに制作された13体のアナタニサマが昨年10月、小樽市内で展示され、大きな反響を呼んだ。
カレンダーの写真を撮影したのは、小樽市在住の写真家眞柄利香さん(59)。13人のアナタニサマがそれぞれ「目撃」された場所を夜に訪ね、該当する人形を置いてシャッターを切った。撮影場所は、旧国鉄手宮線跡や旧小樽商工会議所、市立小樽図書館など13か所。
掲載写真のキャプションには「身長1メートル位。大きな顔に大きな目で、毛だらけの体。手足は短かった」などと、その容姿のほか、遭遇年月と遭遇者の名前が書かれており、想像をかき立てる作りになっている。
眞柄さんは「運河や港といった小樽の定番のイメージとは違ったアナタニサマの世界観が表現できた。これをもとにいろんな人が自分なりのストーリーをつむいでいってくれたらうれしい」と話している。
100部限定。税込み1650円。問い合わせは、小樽のジーンズショップロッキ(0134・34・2705)へ。