イラン・イスラエル、さらなる攻撃を互いに警告 安保理会合

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Michelle Nichols

[国連 2日 ロイター] - 中東の紛争が拡大する懸念が高まる中、イスラエルとイランは2日に開かれた国連安全保障理事会で、攻撃を受けた場合は報復すると互いに警告した。

国連のグテレス事務総長は安保理会合で、「時間はなくなってきている」と警鐘。イランによるイスラエルへのミサイル攻撃を非難し、報復の連鎖を止めるよう訴えた。米国はイランに対し、米国やイスラエルを標的にしないよう警告した。 

イスラエルのダノン国連大使は「イスラエルは自国を防衛し、われわれは行動する」と表明。イランが自らの行動によって直面する結果は「想像よりもはるかに大きいと断言する」と述べた。

また、イランのイラバニ国連大使は、1日のミサイル攻撃は「均衡と抑止力を回復するため」だったと言明。イスラエルがパレスチナ自治区ガザでの戦争とレバノンへの攻撃をやめれば、さらなる緊張の高まりは回避できるとの考えを示した一方で、自国の正当な利益を守り、領土保全と主権を守るために「必要であればさらなる防衛措置を講じる用意が十分にある」と述べた。

国連は、イスラエルが親イラン派武装組織ヒズボラが拠点を置くレバノンに対する地上作戦を開始し、イランがイスラエルにミサイル攻撃を行うなど中東情勢が緊迫化する中、安保理会合を開催。    

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は「われわれの行動は防衛的なものだ」とし、「イランは責任を負うことになる。イランやその代理勢力が米国、もしくはイスラエルに対する一段の行動を起こすことに強く警告する」と述べた。

イランは前日、安保理に宛てた書簡で、イスラエルによる「攻撃的行動」や「イランの主権侵害」を踏まえ、国連憲章第51条に基づく自衛権の行使としてイスラエルに対する攻撃を正当化。「国際人道法の原則を完全に順守し、軍事・治安施設のみを標的とした攻撃を行った」とした。 

イスラエルはこの日、イランによるミサイル攻撃を「明確に」非難しなかったとして、グテレス事務総長を入国禁止にすると明らかにしている。