「仕事の切り替え」うまい人と下手な人の決定的差
(漫画:筆者作成)
仕事にメリハリをつけられない――。そんな悩みを抱えている人はどう改善すればよいのか。著書に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』などがある漫画家・イラストレーター・グラフィックデザイナーのJamさんが、自身の経験を基に解説します。
仕事でメリハリがつけられない人の特徴
(漫画:筆者作成)
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「仕事にメリハリをつけよう」とよく聞きますが、仕事にメリハリをつけられず、いつも疲弊している人とは、どんな人なのでしょうか?
例えば、自称完璧主義の人や責任感が強すぎる人は、本人は完璧に仕事をこなしたいと頑張っているのですが、完璧を目指すあまり自分の限界を超えてしまい、仕事が終わらずにたまっていったり、疲労が蓄積してミスが増えたりしてしまいます。
仕事と休憩のオンオフが曖昧になることで、心身ともに疲弊して、結果として成果を上げることができず、周りからの評価が下がっていきます。
また、自己愛が強い人もメリハリをつけにくいことが多いです。自意識過剰になって自分の実力を高く見積もりすぎて、いつまでたっても抱えている仕事に納得できず、時間ばかりが過ぎてしまいます。自分への周りからの評価が気になって、仕事の目標を見失ってしまうこともあります。自分を冷静に評価して行動に区切りをつけるのは、大事なことなのです。
メリハリやオンオフの区別をつけないと、つねにダラダラと行動する、あるいはつねに頑張り続けて疲労してしまい、それで能率が下がれば、「仕事ができない人」というレッテルを貼られてしまいます。
重要な仕事も任せてもらえなくなるし、一度そういった状況に陥ると、再びモチベーションを上げて挽回を目指すのは難しいです。時間もかかります。なにより、心身共にしんどいと思います。
与えられた仕事が終らなくて自宅に持ち帰ったり、不要な残業をしたり、仕事とプライベートの境界が曖昧になっていると感じる人は要注意です。
職場の人間関係を見直してみる
では、どうすればメリハリをつけられるか?
まずは職場の人間関係を見直してみるのはどうでしょうか。いつも一緒にいる人も自分と同じように、メリハリがない人だと感じることはありませんか? 朱に交われば赤くなるといいます。周りもこうだから……と悪い習慣に合わせることが当然になれば、なかなか自分を変えることはできません。プライベートの友人関係ならともかく、仕事ではダラダラとする人との付き合いに、少し線を引いてもいいのではないでしょうか。
誰かをお手本にしてみるのもいいと思います。職場に「この人のようにメリハリをつけた仕事をしたい」と思う理想の人がいたら、行動や考え方を真似してみてください。ダイエットで太った人の食事を参考にするより、痩せている人の食事を参考にしたほうが効果的なのと一緒です。
真似することで今までの自分の食生活との違いや、太る原因がわかるように、自分が仕事にメリハリをつけられない理由がわかるかもしれません。
いきなりすべてを変えようとするのは大変です。できるだけ簡単で、すぐにできることから試して、少しずつでも今の自分の行動を変えていくのがいいと思います。
(漫画:筆者作成)
会社での「人事」とは、組織の人材管理に関する業務のことをいいますが、一般的な関心としてパッと浮かぶのは、昇進や降格、人事異動などでしょうか。ときどき、そういった「社内人事の行方」をやたらとかぎまわる人がいます。辞令が出る日を待てばわかることなのに、我先にと知りたがって行動する人は、なぜそのようなことをしてしまうのでしょうか?
社内人事をかぎまわる行為は、実はとても軽率な行動であると言えます。「情報通になりたい」「ゴシップが好き」などの、気楽な気持ちでやっていいことではありません。誰も知らない情報というのは、誰にも知られてはいけない情報なのです。
人事情報が漏れることによるリスクは大きい
「人事情報」には多くの個人情報が含まれていますし、そういった情報が簡単に漏洩するとなれば、会社の管理体制の甘さを指摘され、信用を失い、イメージダウンになります。
また、人事の辞令の前に内示が該当者や関係者以外の誰かに漏洩したとなれば、社員のモチベーションは低下し、人間関係にも不和が生じます。それにより離職者が出て貴重な人材の流出や内示の変更・取り消しにつながることもあります。
このように、人事情報の漏洩は会社への損害が大きいため、故意に情報漏洩をした人は、厳しい罰則を受けることもあります。だから、そういったリスクを考えられず、何でも知りたがる人というのは、とても軽率な人なのです。
自分の人事情報の辞令を待てない人は、会社からの評価と自己評価の間に、認識のギャップがあるのかもしれません。
周囲の評価と自己評価が一致している人は、辞令に対してだいたいの予測がつくし、受け入れることができるので、そこまで早く知りたいと焦ることはありません。また、他人の人事情報が気になる人は、心のどこかで人の弱みを握ってマウントを取りたい気持ちがあるのだと思います。
知りたがりの人ほど、つねに自分と他人を比較して、自分のほうが優位である点を探そうとします。自分に自信がないから、実力以外の部分で勝つために情報を欲しがるのです。特定の相手への好意やあこがれが強すぎて「なんでも知りたい……」という人もいますが、それが相手の人事情報までいくなら、やりすぎです。ストーカーと間違われる可能性もあります。
社内人事を詮索することはマイナスしかない
社内人事の行方をかぎまわり、聞き出すことができたとしても、社内での自分の評価は上がりません。それどころか、会社からの信用を失い、社内ルールを守ることができず、自分を律することができない人物だと評価されてしまいます。
人間関係に不和を生じさせる人を尊敬する人もいないでしょう。むしろ情報漏洩に加担したと疑われないよう、距離を置かれるかもしれません。
マイナスな要素以外ありませんから、やたらと社内人事を詮索せず、どんな辞令が下りても動じないよう、どっしりと構えて待っていたほうが、利になることは多いと思います。
(Jam : 漫画家・イラストレーター・ゲームグラフィックデザイナー)