(写真:Ushico/PIXTA)

あれもしたい、これもやらなきゃ、でも時間がない……! 追われている感のあるあなたの人生が180度変わる画期的な時間術の提案です。中学生の双子の母であり、経営者であり、1日100の決断をするというEmiさんの新著『今日から変わる わたしの24時間』より、本稿では「人間関係で悩む時間を減らす」ための心構えを紹介します。

「誰かのことで悩むこと」に時間を使っている

私は日頃、たくさんの方からお悩み相談を受けるのですが、1日24時間という限られた時間の中で、会社の人間関係、子どものつながりで出会ったママ友との関係、家族との関係……みなさん「誰かのことで悩むこと」が多くの時間を占めているなと感じます。

私も若い頃はそういったことももちろんありました。「あの人がこうだったらいいのに」「どうしてあんなこと言うのかな」。けれど今は「誰かのことで悩む時間」はほぼないんです。

それは、相手を変えることは難しいからこそ、そこに時間を使うより、自分が変わることを選択できるようになったから。

自分で、自分がごきげんになるようにコントロールするほうが、よっぽど簡単でラク。ただでさえ、やりたいこと、やらなきゃいけないことがあるのに、誰かのことで悩んでいる時間はもったいない。

誰かのことで悩み、自分を抑えてぐっと我慢する。それは心も体も疲れます。ぐっと我慢するのではなく、ぐーっと切り替えて、「自分のことを考える時間」にするんです。
 
 自分のことを考えるとは、
・わたしの家事をラクにする方法をもっと探してみよう!
・わたしの仕事、次にやってみたいことは何かな?
・わたしは何をしたらごきげんでいられる?

誰か、ではなく、わたしを主人公にする。人に固執しない、変化していく人間関係もある。自分で自分をごきげんに変えていきましょう。

人に求めず「自分がしたいからする」

あるときこんなご相談をいただきました。「子どもとかかわる仕事をしていて、同僚との関係に悩んでいます。時間を守らない、挨拶せずに退勤する。何度か話し合っても一向に変わりません」。

子どもにかかわる立場として、相手に求めたくなるのもわかります。でも相手を変えるのは難しい。自分の正しさと、相手の正しさの"ものさし"は違うからです。

こんなとき、わたしは「職場で求められている役割」を考えます。「目の前の子どもと向き合い、子どもにとってベストなかかわりをすること」。それが一番大事ですよね。この質問をしてくださった方は今、同僚の言動が一番気になっている状態。エネルギーや時間の使いどころが、本来求められている役割からズレてしまっているんです。

時間を守るのも、同僚への退勤の挨拶も、なぜしているのか? と立ち返ると、自分がしたいから、自分が必要だと思うから、しているのではないでしょうか。

相手に求めることに意識を使わず、「自分がしたいからしている」と思えると、スッと心が軽〜くなりませんか? 同僚のことで悩む時間より大事なのは、目の前の子どもたちを見ること。すごくシンプルなことだけれど、忘れがちなことです。

家庭でも「自分がしたいからする」

「自分がしたいからする」は、家庭でも同じです。

家族に対して「わたしのルール通りにゴミを捨ててほしい」「服はこの干しかた」「食器洗い後飛んだ水も拭いてほしい」など、求めたくなる瞬間がありますよね。でも、家族みんなが自分とまったく同じ考えかた、ということはほとんどないのではないでしょうか。

この話を友人に伝えたところ、ママ友のLINEグループで返信をする人としない人がいてモヤモヤしていたけれど、「自分が返信したいならすればいいんだ」と考えるようにしたら、スーッと気持ちが整理されたとか。

ほかにも、同僚が掃除をきちんとしなくていつもイライラしてしまう、そんなときも「わたしはきれいになったら気持ちいいから掃除しているだけ」と考えてみます。

人がどうでも、自分がやりたいことをやるというシンプルなこと。相手と自分を切り分けて、人のことを気にしすぎない。自分がしたいからする、そう思えるとすごくラクになります。

人を変えるのは難しいとはいえ、自分が変わる、自分が我慢するばかりではいつか爆発してしまいそうです。

ではどうやって相手に伝えるとうまくいくのでしょうか。

あるときこんなご相談をいただきました。「3年間在宅勤務の夫。リビングで仕事をするのですが、家族全員同じ空間で過ごすことにストレスがたまっています。『リラックスできないから、リビングで仕事をしないでほしい』と伝えたいんです……」と。

わたしは家族でも職場でも、言いにくいことを伝えるときは、必ず「相手にとってプラスの言葉で伝える」ようにしています。ご相談くださった方のように、「リラックスできないから、リビングで仕事をしないでほしい」と伝えるのは、自分が主語であり、さらに「ない」という否定を重ねた言い方。これでは相手には上手に伝わりません。

わたしなら、感謝の気持ちを最初に伝え、その上で気になることを伝えます。たとえば、「いつもありがとう。みんな家にいる時間が長いし、パパが集中できるように、家族もリラックスできるように、上の階で仕事してくれたら助かるな〜」と明るく伝える! 

また、子どもから伝えてもらうのも1つの方法。子どものほうがやわらかい表現で伝えることができ、効果的な場合もあるんです。

言いにくいことは「プラスなこと」を先に伝える

家庭でも職場でも、わたしがしんどい、わたしがラクになりたい、の表現では伝わるものも伝わりません。


「相手にとってプラスなことを先に伝える」。

これができれば、コミュニケーションがスムーズにいき、誰かのことで悩む時間を減らすことにつながるはずです。

・明日の朝困るから、早く勉強しなさい!→今宿題して、あとでおやつ食べよう!
・会社の備品、ちゃんと元に戻して!→戻しておくと、使うときラクだよ〜!

「なぜわたしばかり、そこまで考えなくてはいけないの?」といったお声もいただくのですが、言い方を変えるだけでコミュニケーションがラクになるなんて、すっごく時短(笑) もめごとが起きる前に時間を使うほうがよっぽどいいことだと思うのです。

(Emi : 「OURHOME」主宰)