自民党の新総裁に就任した石破茂氏。23年12月収録のJ-CASTニュースのインタビューでは、新幹線やローカル線などについて鉄道談義を展開した

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2024年9月27日に投開票された自民党総裁選で、決選投票を経て石破茂元幹事長が第28代総裁に選出された。10月1日召集の臨時国会で、第102代首相に指名される見通しだ。

石破氏はアイドルや軍事など様々な分野で造詣が深く、永田町屈指の「鉄オタ」としても知られる。J-CASTニュースが24年1月に掲載したインタビュー(23年12月収録)では、鉄道に関する持論を展開。建設が進むリニア中央新幹線や、石破氏の地元・鳥取で計画されている「山陰新幹線」について、その意義を疑問視している。

「乗り鉄」「呑み鉄」「客車派」

石破氏は「乗り鉄」「呑み鉄」「客車派」。モーターがついてない「客車」ではなく「電車」として走る新幹線は、石破氏にとって必ずしも好みではない。

1973年に構想が打ち出された5つの整備新幹線(北海道(青森〜札幌)、東北(盛岡〜青森)、北陸(東京〜長野〜金沢〜大阪)、九州鹿児島ルート(博多〜鹿児島)、九州長崎ルート(博多〜長崎))のネットワークは完成に近づきつつある。だが、それ以外に「基本計画路線」が11路線もあり、そのひとつが大阪〜鳥取〜松江〜下関を結ぶ山陰新幹線だ。

石破氏は

「だって山陰新幹線って、今のままいけば22世紀ですよ? そのころ日本は人口半分。そのときにフル規格の新幹線走らせてどうすんの?という話です」

などとして、「フル規格」ではなく、山形新幹線、秋田新幹線のような「ミニ新幹線」を整備したり、在来線を改修して最高速度を150キロまで上げたりする形に方針転換すべきだとしていた。

「私はリニアそのものが何の意味があるのかよく分からない」

リニア中央新幹線についても

「私はリニアそのものが何の意味があるのかよく分からない。そう思ってる人は実は多いんじゃないの?」
「リニアというものに意味がないとは言いませんが、東京-大阪間が1時間で結ばれて、それがどうしたの?という人は多いのではないでしょうか」

などと懐疑的だ。

ただ、自らの立場を踏まえて、持論を「封印」する可能性もある。

例えば14年11月14日の参院・地方創生に関する特別委員会では、地方創生担当相として

「非常に災害に対して強い乗り物であるということ、そしてまた東海道新幹線に仮にダメージが生じたときにそれを代替する、そういうような機能も持つもので」

などと答弁している。

この点を指摘された石破氏は「それは言わざるを得ないですね。それはね」と応じていた。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)