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 防衛省統合幕僚監部は23日、ロシア軍の哨戒機1機が同日、北海道・礼文島付近の領空を3度にわたって侵犯したと発表した。航空自衛隊のF-15戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応。ロシア機に対し、赤外線誘導ミサイルなどをかく乱する「火炎弾(フレア)」を発射した。

【写真】防衛省が公開したIL-38の画像 下部のハッチが開いているように見える

 フレアは、敵のミサイルやセンサーをだますための囮(デコイ)の役割を果たすもの。射出されると高温で激しく燃焼し、ミサイルやセンサーを誤作動させる働きがある。派手に炎を出すが、本来は防御のための装備だ。防衛省は、フレア発射は警告であり「射撃に当たらない」と説明している。

 元防衛大臣の小野寺五典衆院議員は自身のX(旧ツイッター)で「本日13時台から15時台にかけて、ロシアのIL-38哨戒機1機が3度にわたり北海道礼文島北方の領海上空を侵犯。自衛隊は空自戦闘機を緊急発進させ、通告及び警告の他、フレアによる警告を実施しました。」と報告。「対領空侵犯措置中のフレア使用は初で、かなり緊迫した状況。中国とロシアが連携して揺さぶりをかけてきています。フレアを使用して対応した政府を支持します。」とコメントした。

 防衛省統合幕僚監部のXは今年4月25日にもやはりロシアのIL-38とIL-20が日本海上空を飛行したことにより自衛隊機がスクランブル対応したことを伝えていた。

(よろず~ニュース編集部)