撮影現場で感じた文化の違いも伝えた。彼は「韓国の撮影スタイルなのかは分からないのですが、日本では俳優の仕事の中には“待つこと”もあると言います。例えば、僕とイ・セヨンさんが演技をする時、他の俳優さんたちは現場に来なくてもいいのに、撮影がない日でも皆来て応援してくれるんです。僕が(韓国の現場の)雰囲気をよく分からないからかもしれませんが、撮影がないのに来てくれて嬉しかったです。また、監督の知人の方たち、作品と関係のない方たちも応援に来てくださって驚きましたし、すごく力になりました」と語った。

また、「(食事の前に)『おいしく召し上がってください』という言葉を言うのが、すごく親切な文化だと思いました。ランチの時にどこに行っても、『おいしく召し上がってください』と言われたのですが、日本はお弁当の文化であるせいか、『いただきます』は言いますが、そのような言葉はあまり言わないと思います。そういった文化はとても素晴らしいと思いましたし、その言葉自体がとても素敵だと思います。日本は『ご飯は美味しかった?』と聞くことはあっても、ご飯を食べる前に『おいしく食べてね』とは言わないと思います」と明かした。

さらに、「皆いつも現場でコーヒーを飲みながら撮影していました。そこもちょっと違いました。もちろん日本でも休憩時間にお茶が用意されていて、お菓子を食べたりしますが、韓国では常にスタッフも俳優もコーヒーを飲みながら、おやつを食べたりするんです。それが貴重な瞬間ではないかと思いました。仕事中にコーヒーを飲みたくなるじゃないですか。飲みながらできることが、活力を与えてくれる瞬間ではないかと思いました」と語った。

そして「食事の時間になると、スタッフはそれぞれ好きなものを食べに行きます。ですが日本ロケの時はお弁当を提供し、それが口に合うか心配したこともありましたが、皆お弁当をおいしく食べてくれました。(韓国で)それぞれ好きなものを食べに行くのも、楽しい文化ではないかと思います」とつけ加えた。

イ・セヨンとのケミ(ケミストリー、相手との相性)についても伝えた。彼は「イ・セヨンさんが出演した時代劇を見たことがあったのですが、どんな作品だったかはっきりとは覚えていません。『赤い袖先』も見ました。その作品は、彼女と一緒に撮影すると聞いて、そして人気もあると聞いたので見ました。ですが、イ・セヨンさんが本格的なラブストーリーに出演するのは今回の作品が初めてだと聞いてとても驚きました」と話した。

そして「僕も1、2話しか見ていなくて、作品そのものがどのように完成したかは分からないのですが、ある時、僕たちが本当によく合うなと思ったことがあります。お互いに離れたところで電話で話すシーンがあったんです。声で感情を表現しなければならない部分でしたが、演技の相性がとても良かったんです。そのシーンが終わった後、セヨンさんはカメラの前にいて、僕はいなかったのですが、会った時にお互いに『このシーンはうまく仕上がったね』と言った時、相性が良いと思いました。劇中で2人は仲が良くなければならないのですが、自然に仲良くなりました。具体的にこの時から仲良くなったとは言えませんが、お互いに距離感を持ち、どのように、どんな点で合うのかが本能的に分かっていました。だから相性が良かったのではないかと思います」とケミストリーをアピールした。

キャラクターとのシンクロ率はどうだろうか。坂口健太郎は「潤吾というキャラクターには尊敬できる部分がありました。過去にお互いに傷ついたことがあり、別れて5年経ったのに、その間、潤吾はホンのことを忘れずに愛し続けていました。長い人生の中で5年は短いかもしれませんが、潤吾にとっての5年は長い時間だったと思います。ホンとどこで会うか約束もしなかったのに、彼女を愛し続けたという点が尊敬できると思いました」と語り、「それが違う点だとすれば、似ている点としては、実はホンというキャラクターは潤吾にもっと話してほしいし、行動してほしいと思っていたんです。それを分かっていながらも、ごめんという言葉もきちんと言えず、表現することもできず、最後の最後で半歩ほど引くようなキャラクターです。そういった感情や行動に少し共感する部分があり、そこが似ていると思います」と明かした。