【EXILE CUP 2024 レポート】2019年度の全国王者、センアーノ神戸ジュニアが2大会ぶりに関西大会を制す!
小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP 2024」の関西大会が8月25日(日)、奈良県フットボールセンターで行なわれ、2019年決勝大会覇者のセンアーノ神戸ジュニアが優勝を果たした。
今年12回目を迎えたこの大会は、株式会社LDH JAPANが2010年より社会貢献活動の一環としてスタート。全国9地区10会場の予選大会の優勝チームが、愛媛県今治市で開催される決勝大会に進む。
強い陽射しの下で開催された開会式には、LDH JAPANから元サッカー日本代表ラモス瑠偉さんがゲストとして登場。「勝ち負けも大事だけれど、とにかく楽しんでほしい。楽しくプレーすると、いろんなアイデアが浮かんでくる。今日一日悔いのないよう、今までトライしたことのないプレーにもチャレンジして!」とエールを送った。
開会式の終わりには、EXILE TETSUYAさん監修の「クラッキ!ダンス」でウォーミングアップ。EPIインストラクターのU-KAさん(EXPG STUDIO)とともに、サッカー・フットサルの動きや体の部位を意識しながら体をほぐし、最後は「勝利のポーズ」をカッコよく決めて盛り上がった。
予選リーグは全52チームが4チームずつ13ブロックに分かれて総当たり戦を行ない、各ブロックの1位チームと2位の成績上位3チームの計16チームが決勝トーナメントに進出。7分ハーフの短期決戦、試合と試合の間隔も短いなか、各チームとも選手交代自由のルールをうまく使って水分補給や休養をこまめに取り戦い切った。
予選リーグで一際目立っていたのは、Fリーグ(日本フットサルリーグ)デウソン神戸などで活躍した岡崎チアゴ監督率いるALMA VERDE(三木市/A、Bの2チームで参加)だ。「賢く!」「慌てない!」「予測!」「できるよ!」など、シンプルで熱い監督の声掛けに選手たちが応え、一つひとつのプレーに丁寧に向き合いながら果敢にチャレンジ。ゴールが決まると全身で喜びを表現し、応援席も含めた強い一体感が目を引いた。そのALMA VERDE Aや、決勝大会優勝経験を誇るEDC(枚方市)、センアーノ神戸ジュニア(神戸市)などの強豪チームが順当に予選グループを突破。また、地元奈良の強豪、ディアブロッサ高田FC(大和高田市)はA・Bの2チームがともに決勝トーナメントに駒を進めた。
予選リーグ終了後には決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行われた。この抽選方式がEXILE CUP“ならでは”。抽選会ではまず、ピッチに16個のボールが並べられ、各チームのキャプテンが思い思いのボールの前に立つ。司会者の合図で拾い上げたボールには組み合わせを決めるナンバーに加え、応援に駆けつけた橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)と、ラモス瑠偉さんのサインが書き込まれている。思いがけないプレゼントに、選手たちから歓声が上がった。
予選リーグでは大量得点差の試合も散見されたが、決勝トーナメントは実力拮抗の接戦が繰り広げられ、選手たちの熱量も格段にアップ。より激しいプレー、指示の声が飛び交い、敗退が決まったチームが悔しさのあまりピッチに座り込む姿も見られた。激戦を制して決勝の舞台に立ったのは、センアーノ神戸ジュニアとALMA VERDE A。ともに兵庫県の両チームは、先に行われた「JFA バーモントカップ 第34回 全日本U−12フットサル選手権大会兵庫県大会」でも対戦しており、この時はセンアーノ神戸ジュニアが3−0と完封勝ちを収めている。
すでに戦い終えたチームや大会関係者、審判団までもが固唾をのんで見つめるなか、決勝戦がキックオフする。センアーノ神戸ジュニアには準決勝を戦った長年のライバルであり良き仲間のディアブロッサ高田のメンバーからも大きな「センアーノ神戸」コールが送られた。
試合はALMA VERDE Aが立ち上がりから試合をコントロールして優位に進めるかに思われたが、対するセンアーノ神戸ジュニアも、自陣からの縦パスやスルーパスで相手ゴール前に迫るなど虎視眈々とチャンスをうかがう。
均衡を破ったのはセンアーノ神戸ジュニア。前半なかば、右サイドからのキックインをゴール前で合わせて先制した。これで勢い乗ったセンアーノは個の力で2点を追加し、後半開始直後にも追加点を奪って4−0とリード。バーモントカップの雪辱を期すALMA VERDE Aも意地を見せ、中盤のプレスで奪ってつないだボールを得点に結びつけて1点を返す。その後も攻守が激しく入れ替わる展開が続き、両チーム1点ずつ加えて試合は終了。5−2でセンアーノ神戸ジュニアが5年ぶりの決勝大会進出を決めた。
センアーノ神戸ジュニアの大木宏之監督は今大会のターニングポイントとして、予選リーグのPRIMO OSAKA(大阪市)戦を挙げる。「相手が勢いよく出てきたときに、選手たちが受け身になってしまい、ピッチの中で解決できなかった。そこで、思い切って、メンバーも戦い方も選手にある程度の判断を委ねることにした」。その結果、メンバーの入れ替えは減ったが「それも彼らの判断。しっかり決勝大会の出場権を勝ち取ってくれた。これでまたいろんな選手に経験を積ませることができる」。また、過去に何度も対戦してきた好敵手・ディアブロッサ高田FCを破り決勝に進んだことも、チームに勢いを与えたという。
キャプテンの安田蒼選手は「ALMAとは直前の大会で対戦していたので、強く、速いチームだと分かっていた。落ち着いて、センアーノらしくつなぐサッカーができたと思う」と決勝を振り返った。さらに「決勝大会では全員で一丸となり、自分たちはもちろん、見ている人の心も動くサッカーをしたい」と力強く語った。
雷雨を考慮してクラブハウス2階で開催された表彰式では、橘ケンチさんが表彰状を、ラモス瑠偉さんがサッカーボール型のトロフィーを授与して健闘を称えるとともに、記念撮影を通じて各チームと交流した。二人は選手たちに気さくに声をかけ、センアーノのメンバーとは「9月に、今治で会おう!」と再会を誓って固い握手をかわした。
次なる舞台は9月15日(日)、今治市のアシックス里山スタジアムで開催される決勝大会。関西勢はコロナ禍中断前の2019年まで大会5連覇を成し遂げ、大会が再開された2023年もEDCが準優勝に輝くなど実績は十分だ。強豪として否が応でも注目が集まるが、プレッシャーをも楽しんでのびのびとプレーし、関西の地に再びタイトルを持ち帰ってくれることを期待したい。
文=根本 いづみ 写真=座間 雄貴
今年12回目を迎えたこの大会は、株式会社LDH JAPANが2010年より社会貢献活動の一環としてスタート。全国9地区10会場の予選大会の優勝チームが、愛媛県今治市で開催される決勝大会に進む。
開会式の終わりには、EXILE TETSUYAさん監修の「クラッキ!ダンス」でウォーミングアップ。EPIインストラクターのU-KAさん(EXPG STUDIO)とともに、サッカー・フットサルの動きや体の部位を意識しながら体をほぐし、最後は「勝利のポーズ」をカッコよく決めて盛り上がった。
予選リーグは全52チームが4チームずつ13ブロックに分かれて総当たり戦を行ない、各ブロックの1位チームと2位の成績上位3チームの計16チームが決勝トーナメントに進出。7分ハーフの短期決戦、試合と試合の間隔も短いなか、各チームとも選手交代自由のルールをうまく使って水分補給や休養をこまめに取り戦い切った。
予選リーグで一際目立っていたのは、Fリーグ(日本フットサルリーグ)デウソン神戸などで活躍した岡崎チアゴ監督率いるALMA VERDE(三木市/A、Bの2チームで参加)だ。「賢く!」「慌てない!」「予測!」「できるよ!」など、シンプルで熱い監督の声掛けに選手たちが応え、一つひとつのプレーに丁寧に向き合いながら果敢にチャレンジ。ゴールが決まると全身で喜びを表現し、応援席も含めた強い一体感が目を引いた。そのALMA VERDE Aや、決勝大会優勝経験を誇るEDC(枚方市)、センアーノ神戸ジュニア(神戸市)などの強豪チームが順当に予選グループを突破。また、地元奈良の強豪、ディアブロッサ高田FC(大和高田市)はA・Bの2チームがともに決勝トーナメントに駒を進めた。
予選リーグ終了後には決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行われた。この抽選方式がEXILE CUP“ならでは”。抽選会ではまず、ピッチに16個のボールが並べられ、各チームのキャプテンが思い思いのボールの前に立つ。司会者の合図で拾い上げたボールには組み合わせを決めるナンバーに加え、応援に駆けつけた橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)と、ラモス瑠偉さんのサインが書き込まれている。思いがけないプレゼントに、選手たちから歓声が上がった。
予選リーグでは大量得点差の試合も散見されたが、決勝トーナメントは実力拮抗の接戦が繰り広げられ、選手たちの熱量も格段にアップ。より激しいプレー、指示の声が飛び交い、敗退が決まったチームが悔しさのあまりピッチに座り込む姿も見られた。激戦を制して決勝の舞台に立ったのは、センアーノ神戸ジュニアとALMA VERDE A。ともに兵庫県の両チームは、先に行われた「JFA バーモントカップ 第34回 全日本U−12フットサル選手権大会兵庫県大会」でも対戦しており、この時はセンアーノ神戸ジュニアが3−0と完封勝ちを収めている。
すでに戦い終えたチームや大会関係者、審判団までもが固唾をのんで見つめるなか、決勝戦がキックオフする。センアーノ神戸ジュニアには準決勝を戦った長年のライバルであり良き仲間のディアブロッサ高田のメンバーからも大きな「センアーノ神戸」コールが送られた。
試合はALMA VERDE Aが立ち上がりから試合をコントロールして優位に進めるかに思われたが、対するセンアーノ神戸ジュニアも、自陣からの縦パスやスルーパスで相手ゴール前に迫るなど虎視眈々とチャンスをうかがう。
均衡を破ったのはセンアーノ神戸ジュニア。前半なかば、右サイドからのキックインをゴール前で合わせて先制した。これで勢い乗ったセンアーノは個の力で2点を追加し、後半開始直後にも追加点を奪って4−0とリード。バーモントカップの雪辱を期すALMA VERDE Aも意地を見せ、中盤のプレスで奪ってつないだボールを得点に結びつけて1点を返す。その後も攻守が激しく入れ替わる展開が続き、両チーム1点ずつ加えて試合は終了。5−2でセンアーノ神戸ジュニアが5年ぶりの決勝大会進出を決めた。
センアーノ神戸ジュニアの大木宏之監督は今大会のターニングポイントとして、予選リーグのPRIMO OSAKA(大阪市)戦を挙げる。「相手が勢いよく出てきたときに、選手たちが受け身になってしまい、ピッチの中で解決できなかった。そこで、思い切って、メンバーも戦い方も選手にある程度の判断を委ねることにした」。その結果、メンバーの入れ替えは減ったが「それも彼らの判断。しっかり決勝大会の出場権を勝ち取ってくれた。これでまたいろんな選手に経験を積ませることができる」。また、過去に何度も対戦してきた好敵手・ディアブロッサ高田FCを破り決勝に進んだことも、チームに勢いを与えたという。
キャプテンの安田蒼選手は「ALMAとは直前の大会で対戦していたので、強く、速いチームだと分かっていた。落ち着いて、センアーノらしくつなぐサッカーができたと思う」と決勝を振り返った。さらに「決勝大会では全員で一丸となり、自分たちはもちろん、見ている人の心も動くサッカーをしたい」と力強く語った。
雷雨を考慮してクラブハウス2階で開催された表彰式では、橘ケンチさんが表彰状を、ラモス瑠偉さんがサッカーボール型のトロフィーを授与して健闘を称えるとともに、記念撮影を通じて各チームと交流した。二人は選手たちに気さくに声をかけ、センアーノのメンバーとは「9月に、今治で会おう!」と再会を誓って固い握手をかわした。
次なる舞台は9月15日(日)、今治市のアシックス里山スタジアムで開催される決勝大会。関西勢はコロナ禍中断前の2019年まで大会5連覇を成し遂げ、大会が再開された2023年もEDCが準優勝に輝くなど実績は十分だ。強豪として否が応でも注目が集まるが、プレッシャーをも楽しんでのびのびとプレーし、関西の地に再びタイトルを持ち帰ってくれることを期待したい。
文=根本 いづみ 写真=座間 雄貴