中国戦で3ゴールに絡んだ伊東。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 2024年9月5日、北中米ワールドカップのアジア最終予選で日本が中国に7-0と大勝した一戦、記者席で思わず「あっ」と声を出してしまった瞬間があった。

 それは、途中出場の伊東純也が77分にゴールを決めた時だ。アジアカップ以来、約7か月ぶりの代表復帰戦でいきなり結果を出すのかと、どれだけ強心臓なのかと思った感情が、「あっ」と声になったのである。

 伊東の活躍はそれで終わらない。87分に鋭いクロスで前田大然のゴールをアシストすると、90+5分には久保建英のダメ押し弾をお膳立て。久保と同じく3ゴールに絡む活躍で存在感を見せつけるのだから、ちょっと信じられない。

 この試合の主役は、1ゴール・1アシストの三笘薫か、抜群のフェイントでも観衆を魅了した久保建英か、もしくは2ゴールの南野拓実か、そんなことを試合中に考えているうちに、伊東があれよあれよとゴールに絡む。前半よりも中国の戦闘力は落ちていたとはいえ、それでも「なんなんだ、彼は」と、良い意味で驚きを提供してもらった。
 
 代表戦のブランクなど関係なく、当然かのように活躍する。改めて、伊東純也の凄さを思い知らされた試合だった。

 そう言えば、元Jリーガーの鄭大世氏はこんなことを言っていた。

「アジアカップの敗退は伊東の不在が一番大きかった」

 中国戦の活躍を見せられたら、それはそうだと深く頷いてしまう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集部)

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