「輪島の魚にどれだけ頼っていたか実感」出漁延期の底引き網漁 初物登場も…石川県内産は半分以下
金沢市の近江町市場では、解禁から3日遅れで出漁した底引き網漁で水揚げされたばかりの秋の味覚がようやく店頭に並びました。
しかし、地震の被害が大きい輪島港から出漁できない状況が続いていることに加え、エチゼンクラゲの大量発生などの影響で、初日は地物の入荷量が例年の半分以下と異例の事態となっています。
店員掛け声
「いらっしゃいませ〜!ハタハタにカレイ・メギス!底引きだよ〜いらっしゃ〜い!」兵藤遥陽キャスターリポート
「待ちに待った底引き解禁、本来なら店先には県内産のものがずらりと並ぶんですが、今年は福井県産など県外の物が多く並んでいます」金沢市民の台所・近江町市場には、底引き網漁で水揚げされたカレイや甘エビ、メギスがお目見えしました。
待ちに待った初物ですが、「石川県産」の文字は少なく、県外産が目立ちます。
地元の買い物客
「思ったよりも少なかったかな。もう少しノドグロとかが店頭に出ているかなと思いながら…ちょっと残念かな」「やっぱり心配、獲れないと値段も高くなっちゃうし。最初は県産のものを家族に食べさせてあげたい」エチゼンクラゲの大量発生やしけで出漁の見合わせも影響石川県漁協によりますと、沖合にエチゼンクラゲが大量発生したことや、能登の船がしけで出漁を見送ったことから初日の入荷量は全体で12トンあまりと去年の半分ほどに留まりました。
その分、価格も2割ほど高いといいます。
大口水産 荒木優 専務
「県産となるとどうしても少ない。我々もやっぱり地物を売りたいという気持ちがあるので少ない分だけ肌感覚で2〜3割高いなという感じはする」さらに、県内の底引き網漁船の拠点にもなっている輪島港から、船がいまだに出漁できないことも大きな要因となっていて、市場関係者の頭を悩ませています。
大口水産 荒木優 専務「きょう市場に行ったときに、(事前に)輪島のものはないと聞かされていたけど、入荷した魚を見てまざまざと、輪島の魚にどれだけ頼っていたかというのを改めて実感した」
輪島港は、海底の土砂取り除く作業と荷捌き場の工事中石川県漁協輪島支所によりますと輪島港では11月のカニ漁解禁までの底引き網漁再開を目指しているということです。