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セバスチャン・スタンが若き日のドナルド・トランプを演じる、伝記映画『ジ・アプレンティス(原題:The Apprentice)』の初映像が米国で公開された。米国公開日が2024年10月11日に決定したことも正式に発表されている。

本作は1970年代のニューヨークを舞台に、青年ドナルド・トランプが不動産ビジネスで成功を収め、権力の座に上り詰めていく物語。富豪一族の末裔として名を上げようと躍起になっているトランプを、悪名高き弁護士ロイ・コーンは“完璧な弟子”として見出した。成功を渇望し、強い野心を抱いていたトランプは、コーンの教えを受け、やがて勝利のために手段を選ばなくなってゆく。

公開された映像は、トランプがコーンからインタビューのコーチを受けるシーン。「ジュディ、100人の記者がこのインタビューを求めてきたんだが、君に独占で取材させる」とコーンが電話口で述べたあと、トランプが話し始める。「ジュディ、ドナルド・トランプだ。君と話せてうれしい……」

記者から次の計画を尋ねられたトランプはこう答える。「コモドール(・ホテル)を買収し、この街で最高のビルにするつもりだ。いや、この国で」。すると、コーンが隣から「この世界で」と耳打ちする。トランプは「この世界で、だ。ジュディ、世界最高のビルにする。華々しいホテルだ、そして第一級の……」

すると記者は、「とても野心的ですね。その意欲はどこから来るんですか、まだ若いのに」と問う。トランプが「私は才能があり、賢い。だから私は成功するだろうけれど、同時に謙虚でもいたい」と答えると、コーンは受話器を奪って「すまない、あとは直接にしよう。カメラマンを連れてきてくれ」と話した。「すみません」と口にするトランプに、コーンは「いや……これは君の人生だ。まだ道半ばで、勉強中だから」と応じた。

監督は『聖地には蜘蛛が巣を張る』(2022)の鬼才アリ・アッバシ、脚本はノンフィクション作家のガブリエル・シャーマン。カンヌ国際映画祭での初上映は賛辞をもって迎えられたが、トランプ陣営の妨害活動により、なかなか米国公開が決まらなかった。大手映画スタジオが配給に難色を示し、米国配給はBriarcliff Entertainmentが担当する。

なお、劇場公開にあたってが開始されており、25ドル出資すると配信リリース時に本編視聴が可能となる。100ドルで配信版のクレジットに名前が掲載され、150ドルでフィルムメーカーのQ&A配信に参加できるほか、サイン入りポスターや本編で使用された小道具、ニューヨークでのプレミア・イベント参加権などが特典として用意された。

クラウドファンディングの開始にあたり、製作総指揮のエイミー・ベアーは「本作は何をおいてもヒューマニズム主義であり、あらゆる政治的ノイズとは根本的に異なります」とのコメントを発表。プロデューサーのダン・ベッカーマンも、「トランプ陣営はこの映画を観ることもなく弾圧しようとしました。アーティストが権力者を自由に批判できなくなる事態は憂慮すべきものです。この危険な前例を頑として拒否するため、皆さんの力を必要としています」との声明を発表した。

出演者はドナルド・トランプ役のセバスチャン・スタンをはじめ、ロイ・コーン役で「メディア王 ~華麗なる一族~」(2018-2023)のジェレミー・ストロング、元妻イヴァナ役で『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』(2020)のマリア・バカローヴァ、父親フレッド役で『TENET テネット』(2020)のマーティン・ドノヴァン。

映画『ジ・アプレンティス(原題:The Apprentice)』は2025年に日本公開予定。

Source: Variety(, )