天体撮影に最適なスマート望遠鏡「Dwarf 3」。コスパもバツグン
簡単なセットアップで高解像の天体観測ができるスマート望遠鏡。
これまでさまざまな製品がリリースされてきましたが、その多くはやはり"望遠鏡"のようなデザインでした。そんななかで登場したDwarflabs Dwarf 2のデザインは長方形で、星空を眺めるには必ずしも円錐型でなくてもいいことを証明したといえます。
そしてDwarflabsは新たなモデルDwarf 3を発表しました。
Dwarf 3は前モデルと比べ、長方形デザインを維持しつつ少し大きくなり、レンズの改良や日中の撮影などの機能強化を果たしたとのこと。それによって、より遠くまでキレイに観測・撮影が可能になったようです。
天体を自動トラッキング
Dwarfシリーズは、小型のウォークマンやハンディカムのようなデザインに、35mm望遠レンズと3.4mm広角レンズを搭載したスマート望遠鏡シリーズです。
デバイスの特徴としては、オートフォーカス機能やアプリを通して、さまざまな天体を自動でトラッキングする機能など多彩なモードにより、手軽に天体観測ができるように作られています。
Dwarf 3は基本的に前モデルに搭載されていた機能が踏襲されていて、広角での動画・写真撮影ができたり、昼間の撮影にも適した性能を持っています。さらに惑星や星雲などを4Kで撮影することも可能です。Dwarflabsによれば、新たなモデルではAIによるトラッキングを利用して、動き回る鳥や動物の撮影もできるようになっているとのこと。
価格は500ドル(約7万3000円)。1,690ドル(約24万8000円)の「Vespera II」や2,300ドル(約33万7000円)のUnistellar「Odyssey」と比べても、コスパにおいてはかなり優れているといえます。
広角撮影が強化
Dwarf 3では2024年製の新しいSONY(ソニー) IMX 678センサーを搭載。今回のモデルでは、Dwarf IIの100mmから150mmになった望遠レンズと、6.7mmの広角レンズを採用しています。
焦点距離は望遠で737mmで、夜空をより鮮明に映し出すデュアルバンドパスフィルターや天文用フィルター、日中の撮影をサポートする可視光フィルターが搭載されています。
Dwarf 3では望遠・広角のいずれのレンズでも、より鮮明な動画撮影が可能です。望遠レンズでは4K動画を30fpsで、1080p動画を60fpsで撮影でき、前モデルのそれぞれ4K/25fpsと1080p/30fpsから向上しています。さらに広角レンズでも動画撮影が可能となり、1080pを30fpsで撮影できるようにアップグレードされました。
また、写真については望遠では変わらず、解像度は3840×2160となっていますが、新たに1920×1080での広角写真撮影ができるようになっています。
バッテリーについては、Dwarf IIの5,60mAhからほぼ2倍となる10,000mAhのバッテリーを搭載しているため、より長時間の撮影が可能に。ただし今回は内蔵バッテリーとなっているため、出先で充電がなくなってきたらモバイルバッテリーなどを用意しておく必要があります。
ストレージも128GBのeMMCが搭載がされているため、64GB micro SDカードが付属されていたDwarf IIに比べても、基本的にはアップグレードされているといえるでしょう。
さて、Dwarf 3は天体の動画・写真撮影においては優れているといえます。
しかし、夜空を眺めたり天体観測をするだけなら、撮影機能のない800ドル(約11万7000円)のUnistellar「Envision」のような、小型のスマート双眼鏡といったデバイスの方が有利だと思います。
また、Dwarf 2ではデラックスバージョンにECHフィルターという周囲の光を遮るのに便利なフィルターや、太陽写真撮影用の太陽フィルターが付属していました。Dwarfはこれらを装着すると非常に優れた性能を発揮します。Dwaflabsに問い合わせたところ、これらは後日発売され、Dwarf 3とも互換性があるとのことでした。