進化が求められるなでしこジャパン。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 パリ五輪を終えたなでしこジャパンの次なる目標は、2027年にブラジルで開催予定の女子ワールドカップである。出場12か国だったパリ五輪と違って、32チームによって覇権を争うことになる。

 アジアの出場枠は「6」(プレーオフは含まない)と、「2」だったパリ五輪に比べれば予選のハードルは低い。ただ、ヨーロッパの出場枠は「11」(プレーオフを含まない)と、パリ五輪に出られなかったスウェーデン、オランダなど難敵が本大会にズラリと顔を揃えそうだ。

 ちなみに、女子サッカーのFIFAランク最新版で1位から10位は以下の通り。アメリカ、イングランド、スペイン、ドイツ、スウェーデン、カナダ、日本、ブラジル、北朝鮮、フランスである。

 識者の河治氏は「FIFAランク上位を突き崩す難しさは男子よりも女子のほうが上。そこの壁は本当に厚いです」と言う。
 
 なでしこジャパンは2011年の女子ワールドカップで頂点に立っているが、「あの時は、あれよ、あれよ感があって、相手側がなでしこジャパンのことをあまり知りませんでした」(河治氏)。しかし、今は違う。

「世界における女子サッカーのレベルが、この10数年で急速に伸びました。スペインの伸びなんて凄いです。11年当時はなでしこジャパンよりも格下でした。彼女たちが五輪に出場したのも今回が初めてですから。スペインはそれだけのムーブメントを作れるわけで、その意味で環境整備や指導者育成が大事です」

 例えば日本で女子サッカーを強化するためには、WEリーグに優秀な外国人選手を迎え入れるなど抜本的な改革が必要だ。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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