X(旧Twitter)がブラジルでの事業を終了すると発表しました。なお、ブラジルのXユーザーは引き続きサービスを利用できます。

X says it’s closing operations in Brazil | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/08/17/x-says-its-closing-operations-in-brazil/



2024年4月、ブラジルの最高裁判所がXに対して特定のアカウントをブロックするよう命じました。当初、Xはブラジル最高裁の命令に従っていたものの、ブロック命令が発効された理由や、どの投稿が法律に違反しているかなどが不明だったため、命令を不服として異議申し立てを行いました。そして、Xのイーロン・マスク氏が「どの裁判所または裁判官が、どのような根拠でこの命令を出したかを述べることは禁じられています」と前置きした上で、命令を下したのがアレクサンドル・デ・モラエス判事であることを明かしました。

イーロン・マスクがX(旧Twitter)で特定のアカウントをブロックするよう命じたブラジルの最高裁判所決定に異議を唱える - GIGAZINE



これを受け、ブラジル最高裁はマスク氏を捜査妨害の容疑で捜査対象に加えると発表しています。

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by Daniel Oberhaus

Xはこの件でモラエス判事と法廷闘争を繰り広げていたのですが、2024年8月17日になってXの公式アカウントのひとつであり、政府関連の問題を取り扱う@GlobalAffairsで、モラエス判事による違法な検閲に対抗するためにブラジルでの事業を終了すると発表しました。

Xは「昨夜、アレクサンドル・デ・モラエス判事は検閲命令に従わなければ逮捕するとブラジルの法定代理人を脅迫しました。彼は秘密の命令でこれを実行しましたが、我々は彼の行動を明らかにするためにこの投稿で事実を明らかにします。最高裁判所への我々の複数回にわたる上訴は聞き入れられず、ブラジル国民はこれらの命令について知らされないままです。ブラジルのX従業員はプラットフォーム上でコンテンツがブロックされるかどうかについて責任も管理権も持っていないにもかかわらず、モラエス判事は法律や適正手続きを尊重せずに、ブラジルオフィスの従業員を逮捕すると脅迫し始めました。そのため、従業員の安全を守るべく、ブラジルでの事業を即時終了することに決めました。引き続きブラジルの人々にXのサービスは提供されますが、このような決定を余儀なくされたことを我々は深く悲しんでいます。責任はすべてアレクサンドル・デ・モラエス判事にあります。彼の行動は民主的な政治とは相容れないものです。ブラジル国民は民主主義か、それともアレクサンドル・デ・モラエス判事かの二択を迫られています。モラエス判事がブラジルの法的代表者として、Xを検閲する必要があるとは思えません」と投稿しています。





マスク氏もブラジルオフィスの閉鎖について、「ブラジルにあるXのオフィスを閉鎖するという決断は困難でしたが、もし私たちがモラエス判事による(違法な)秘密検閲と個人情報の引き渡し要求に同意していたとしたら、この行動を恥じずに説明することはできませんでした」と言及しています。





なお、Xは2024年8月14日に「モラエス判事が秘密裏に検閲を要求してきたアカウント」がどういったアカウントなのかを公開しており、牧師・国会議員・元国会議員の妻などブラジルで人気のあるアカウントが対象となっていたことを明かしています。