大谷翔平の後ろに「逮捕された反社」の姿…スポーツ中継を“連絡ツール”に利用する暴力団員たちの裏事情
30号ソロを放つ大谷と、それを見つめるバックネット裏の観客たち ※写真は本文とは関係ありません（写真・共同通信）
「いつもどおり、テレビ越しに大谷翔平選手を応援していたら、びっくりしましたよ。“あの男”が映っていたんですから」
と語るのは、暴力団関係者だ。
「7月下旬のドジャースの試合です。日本人選手が複数、登場する試合だったので、日本でも非常に注目度の高い試合でした。ある瞬間、バックネット裏の特等席で、体格のいい日本人の2人組が、満面の笑みで大谷選手にスマホを向けていたんですよ。ついこの前まで逮捕されていた、ある有名暴力団員の金庫番でした。組織に籍を置いているわけではありませんが、いわゆる“反社”です。無事、釈放されたんだなとわかりました」
じつは“反社”の世界では、以前から大相撲やプロ野球のテレビ全国中継が、ある種の“連絡ツール”にもなっているのだという。
「大相撲では審判席の並びと正面。プロ野球ではバックネット裏が定番の位置ですね」
と語るのは、暴力団対策を担当していた元刑事だ。
「中継のカメラが、常時、撮影している席が狙い目なんですよ。スポーツ中継は、刑務所における数少ない娯楽です。服役中の組員を励ますため、組長や幹部、まれに家族が、その席に座るんです。“塀の中”にいる組員には、事前に『◯月◯日に観戦に行くつもりだ』と手紙などで伝えます。組織は決してお前を忘れていないぞ、というメッセージですね。とくに、抗争事件で服役生活を送る組員の場合、判決確定後にも上部からの指示や命令について再度の取り調べを受けることもあり、“変なこと”を話さないよう忠誠心を保たせる、という狙いもあります」
さらに、注目度の高い中継では、“健在アピール”に使われるケースもある。
「幹部が釈放されたときなどには、あえて、こういう場に出てきて『俺は元気だ』と示すことがあります。今回の大谷翔平の件は、まさにそういう狙いでしょうね。
もちろん、大谷が好きで観戦したいという理由もあるでしょうけどね。そもそも反社の場合、米国の入国審査をパスする必要があるので、すでに海外に住んでいるなど、限られた人間しかこの手法を使うことはできません」（同前）
