市川團十郎が大星由良之助を初役で勤める『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』 25年1月新橋演舞場にて上演決定
2025年1月、新橋演舞場にて『双仮名手本三升(ならべがきまねてみます) 裏表忠臣蔵(うらおもてちゅうしんぐら)』が上演されることが決定した。
これまで十三代目市川團十郎は海老蔵時代の2008年『雷神不動北山櫻』を皮切りに、新橋演舞場の1月公演にて数多くの舞台を上演してきた。2014年以降は毎年出演しており、この度でお正月公演への出演は15回目を迎える。
2022年11月に十三代目市川團十郎白猿を襲名して以来、これまで以上に“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造”を胸に歌舞伎と向き合ってきた團十郎が、今回、歌舞伎の三大名作のひとつである『仮名手本忠臣蔵』に挑戦する。
7月に歌舞伎座で上演している『星合世十三團(ほしあわせじゅうさんだん)』も、同じく三大名作の一つである『義経千本桜』を、現代の方々により楽しんでもらえる形を目指し、2019年に團十郎(当時海老蔵)が創り上げ初演し大好評を得た作品。その團十郎が来年1月の新橋演舞場公演に選んだのが『仮名手本忠臣蔵』だ。およそ280年も前から今日に至るまで愛され続けてきた「忠臣蔵」の世界を、現代ならではの視点やスピード感も織り込み新たに創造する。
九代目團十郎
十一代目團十郎
十二代目團十郎
十三代目團十郎:大星由良助 撮影:半沢健
そして本作は團十郎が大星由良之助を初役で勤めるのも見どころの一つ。祖父、父はもちろん、代々の市川團十郎家が繋いできた歌舞伎への情熱と想いを受け継ぎ、古典歌舞伎の名作に挑む。十三代目團十郎が描く新たな「忠臣蔵」に期待しよう。
市川團十郎 コメント
市川團十郎
このたび新橋演舞場の来年1月公演にて『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』を上演させていただくことになりました。『仮名手本忠臣蔵』は古典歌舞伎の三大名作の一つと言われている傑作ですが、通し上演の機会は多くなく、「忠臣蔵」の世界に触れていただくことも少なくなっています。『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』は現代を生きるお客様にお楽しみいただきやすい形にして、名作『仮名手本忠臣蔵』の面白さを存分に味わっていただけるように創っていけたらと考えております。
また今回、外題に『裏表忠臣蔵』と付けさせていただいております。『裏表忠臣蔵』は、天保4年に七代目團十郎が、市川白猿の名で増補し、由良之助を演じ初演した作品です。表が通常上演されている『仮名手本忠臣蔵』、裏として創作場面をつけ、新たな形で忠臣蔵の世界を描き出し、当時大当たりとなったそうです。七代目のこの精神を受け継ぎ、表を『仮名手本忠臣蔵』、裏を現代に合わせた創作により、十三代目としての『裏表忠臣蔵』を描きたいと思っております。由良之助は初役となりますが、新之助時代に力弥で父の由良之助と共演しており、目にある父・十二代目の由良之助、祖父・十一代目の由良之助、代々の由良之助を感じながら勤めることができればと思っております。
来年のお正月、ぜひ新橋演舞場にお越しいただき、「忠臣蔵」の世界をご堪能いただけましたら嬉しいです。劇場でお待ちしています。