骨折後の早期回復を目指す 整骨院での施術・リハビリのポイントと注意点

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折れた骨が再び癒合するまでの期間は、ある程度決まっているのだそうです。しかし、適切な対応やリハビリテーションをおこなうことで、骨折後の早期回復を目指すことが可能です。どんなことが必要で、どんな注意点があるのでしょうか? 骨折後の早期回復を目指すために整骨院でできる施術やリハビリテーションのポイント、注意点などについて、はざま鍼灸整骨院の郄橋弘先生に解説してもらいました。

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監修柔道整復師:
郄橋 弘(はざま鍼灸整骨院)

東京医療専門学校(現・東京呉竹医療専門学校)柔道整復科卒業後、国家資格「柔道整復師」を取得、その後、同鍼灸科を卒業し国家資格「はり師きゅう師」取得。2004年専門学校の講師の傍ら、自身の地元に「はざま鍼灸整骨院」を開業し、現在に至る。

もしかして骨折⁉︎どうしたら良い?

編集部

怪我で痛みが強い時、骨折かどうかはどうやったらわかりますか?

郄橋先生

基本的に、自己判断するのはお勧めできませんが、例えば転倒して手や肩をついたり、しりもちをついたり、足を挫いたりした後、痛めた場所を押したときに強烈な痛みが走るとき、または強く腫れてきたとき、左右を比べて形が違うときなどは、骨折をしている可能性があります。ただし、このような明らかな骨折もあれば、完全に折れていない骨折(不全骨折)や折れていてもズレていない骨折(転位のない骨折)などは、外見上腫れているだけで、骨折とはわからない場合もありますので注意が必要です。

編集部

そういった場合にはどうしたら良いですか?

郄橋先生

レントゲンや超音波(エコー)で骨の状態を確認する必要があります。レントゲンを撮ることで、例えば骨折線が真横なのか、斜めに折れているのか、さらに複雑な折れ方をしているのかもわかるので、その後の処置や回復までにかかる期間もある程度見えてきます。

編集部

同じ骨の骨折でも、その後の処置が異なることがあるのですね。

郄橋先生

そうですね。固定していれば治る骨折もありますが、手術が必要なこともありますし、そのほうが早く回復するということも多くありますので、専門家の指示を仰ぐことが大事です。

骨折後の早期回復を目指したい!

編集部

折れた骨が戻るまでにはどのくらいかかりますか?

郄橋先生

これも、折れた骨や折れ方によって異なります。あとは、骨が折れた方の年齢や栄養状態などによっても変わってきますので、一概には言えません

編集部

骨折後、早期に回復するためにはどうしたら良いのでしょうか?

郄橋先生

骨折の場合、正確にズレを戻し、きちんと固定をすることが大切です。その後は速やかに固定していない関節や末端の部分を動かしてあげたり、前述の手首の骨折の場合なら、肩の関節や指をグーパーするなどして動かしたりすることが大切です。

編集部

ほかにはどんなことがありますか?

郄橋先生

骨の癒合を早める目的で、さまざまな物理療法が用いられます。例えば当院では、骨折の治療機器である「LIPUS(低出力超音波パルス療法)」を使用することで早期の回復を図っています。

編集部

そういった物理療法を受けるにはどうしたら良いでしょうか?

郄橋先生

お近くの整骨院やクリニックなどで受けられます。しかし、すべての整骨院やクリニックなどで骨折に対する物理療法などをおこなっているわけではないので、ホームページなどで事前に確認してみることをお勧めします。

病院で「しばらく安静に」と言われたけど、どうしたら良い?

編集部

医療機関で「しばらく安静に」と言われたので、整骨院へ行っていいのか心配です。

郄橋先生

そういった場合も、それを踏まえた施術を行いますので心配はいりません。病院で「安静に」と言われたとしても、それは「じっと動かずにいなければいけない」という意味ではないのです。近隣の医療機関と連携を取っている整骨院やクリニックも多くありますし、整骨院やクリニックのスタッフも、骨折や骨癒合の知識を持って施術していますので、安心して相談していいと思います。

編集部

物理療法以外のリハビリテーションもするのですか?

郄橋先生

それぞれの状態や回復段階によって、リハビリテーションの指導もおこなっています。例えば骨折初期にできることは限られていますが、軽い手技療法で痛みを和らげることも可能です。血流を良くする手技療法などをおこなうことで骨が付くまでの期間の短縮や、さらには固定を外した後の関節の拘縮(こわばり)を減らすことも期待できます。

編集部

整骨院でのリハビリテーションのポイントや注意点などがありましたら教えてください。

郄橋先生

一つ目のポイントは、医療機関の医師との連携を密に取っておこなってもらうこと、二つ目はその時々の状況を、整骨院のスタッフからしっかり情報共有してもらうこと、三つ目は重複しますが、骨癒合を早めることだけでなく、固定を外した後の関節の拘縮(こわばり)などを最小限に抑えるようにしてもらうこと、だと思います。

編集部

最後に、MedicalDOC読者へのメッセージをお願いします。

郄橋先生

「骨折」して不安な上に、「『安静に』と言えども動かしたほうが良い」と言われても、本当にそれでいいのか心配になる方も多いかもしれません。しかし最近は、骨の癒合を早めるような物理療法機器や血流の改善、関節のこわばり予防など、骨以外の部分に対して手技療法をおこなってくれる整骨院などが多くあります。医療機関との連携を行いながらであれば不安も軽減されると思いますので、まずはお近くの整骨院などへ気軽に相談してみてください。

編集部まとめ

骨折後の早期回復を目指すには、安静にしているだけではなく、様々なアプローチが有効なのだそうです。専門家に相談しながら、焦らず確実に回復をはかり、再び活動的な生活を楽しめるようにしたいですね。

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はざま鍼灸整骨院

所在地〒193-0941 東京都八王子市狭間町1450-1 めじろ台コーポラス103

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診療科目整骨、鍼灸

042-662-0830

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