今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店を訪ね、冷蔵庫の売れ筋を取材しました。

最近のファミリー向け冷蔵庫のトレンドについて、同店で家電コーナーを担当するスタッフの館野渉大氏は「従来のサイズ感を維持しながらできるだけ大容量なもの、500〜550Lのタイプが主流になっています。直近の動きでいえば、物価高の影響もあって冷凍室を重視する方が増えている印象があります」といいます。

ジョーシン浦和美園イオンモール店の冷蔵庫売り場。館野渉大氏に案内してもらった

冷蔵庫は気温が上がる時期に故障することが多く、本格的な夏場を控えた5〜6月に買い替える人が増えるといった動きもあるそうです。そうした動きと「購入する前の3ポイント」を踏まえて、直近の売れ筋トップ5を挙げてもらいました。順に追いかけていきましょう。

○<冷蔵庫 購入する前の3ポイント>

現在使っている冷蔵庫のサイズ、もしくは型番をメモして来店するのがベター。

ファミリー向けなら500〜550Lタイプが主流。予算は35万〜40万円で組むと選びやすい。

故障の前に「冷えにくい」「逆に冷えすぎる」などの症状が出ることも。異常を察知したら即計画が吉。

※本文と写真で掲載している価格は、2024年5月22日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:650mm幅で100L超の冷凍室と野菜室を備える日立「R-WH54V」

一番人気となったのは、日立グローバルライフソリューションズの540Lモデル「R-WH54V」でした。最下段に103Lの野菜室、その上に109Lの冷凍室を配置し、外形寸法は幅650×奥行き701×高さ1,833mmとなります。取材時の価格は368,000円でした。

「幅を650mmに抑えつつ、540Lの容量を備えているのが大きいですね。10年前の冷蔵庫から買い替えるとなると、幅685mm以下を条件に探される方が多いので、できるだけ大容量で…となったときに注目されます。冷凍室や野菜室が大きいところも好まれていますね」

日立「R-WH54V」

冷蔵室の内部

第2位:奥行きも抑えたい人に人気の日立「R-HW49V」

2位にも同シリーズがランクインしました。日立グローバルライフソリューションズの490Lモデル「R-HW49V」です。幅と高さは「R-WH54V」と変わりませんが、奥行きが50mm短くなって651mmとなります。レイアウトも変わらず、最下段に91Lの野菜室、その上に96Lの冷凍室を置く仕様です。取材時の価格は349,800円でした。

「キッチンで冷蔵庫が張り出すのを嫌がる方や、前回の購入時から家族構成が変わるなどして500Lを切る容量でも十分と判断された方によく選ばれています」

日立「R-HW49V」

冷蔵室の内部

第3位:大容量と取り出しやすさで好まれるパナソニック「NR-F55WX1」

続く3位には、パナソニックの551Lモデル「NR-F55WX1」がランクインしました。最下段に115Lの野菜室、その上に103Lの冷凍室を置き、外形は幅683×奥行き699×高さ1,828mmとなります。取材時の価格は356,400円。

「パナソニックはコンプレッサーが冷蔵室の上部奥にあるので、最上段の奥に手が届きにくい方に根強い人気があり、よく指名買いされます。なかでもこのモデルは、685mm幅内で大容量を目指したいという方によく選ばれていますね」

パナソニック「NR-F55WX1」

冷蔵室の内部

第4位:真ん中野菜室に定評がある東芝「GR-W510FZ」

4位は、東芝の508Lモデル「GR-W510FZ」でした。冷蔵室の直下に112Lの野菜室を置き、93Lの冷蔵室を最下段に配置する仕様です。外形寸法は幅650×奥行き699×高さ1,833mmで、取材時の価格は328,000円でした。

「幅が685mm以下の500L超えモデルで、野菜室が真ん中にある冷蔵庫、という条件にぴったり当てはまるモデルですね。かつてのファミリー向けは真ん中に野菜室を置くことが多く、その頃からの感覚で使い続けたいという方によく選ばれています」

東芝「GR-W510FZ」

冷蔵室の内部

第5位:庫内独立管理とコンパクトさが評価される三菱電機「MR-MZ49K」

5位には、三菱電機の485Lモデル「MR-MZ49K」が入りました。81Lの冷凍室を最下段、その上に92Lの野菜室を置くレイアウトで、外形は幅650×奥行き650×高さ1,833mmとなります。取材時の価格は386,100円でした。

「幅も奥行きもコンパクトながら、チルドルームの幅が広いところが好まれていますね。全室が独立していて、AIによって個別に管理されるところもエコだと高く評価されています」

三菱電機「MR-MZ49K」

冷蔵室の内部

はみ出し情報・・・さらなる薄型を追求する人に人気のシャープ「SJ-MF43M」

ランキング外の注目モデルに挙げられたのは、シャープの429Lモデル「SJ-MF43M」です。冷蔵庫の直下に82Lの野菜室、最下段に88Lの冷凍室を置く仕様で、外形は幅650×奥行き630×高さ1,750mmとなります。取材時の価格は318,000円でした。

「シャープはプラズマクラスターによる除菌消臭効果に注目する方が多いのですが、このモデルはさらに奥行きを630mmに抑えているところが好まれてよく売れています。キッチンのレイアウトによっては、冷蔵庫を出っ張らせないためにミリ単位の検討が必要になります。そういうときにこのモデルは強い味方になるんですよね」

シャープ「SJ-MF43M」

冷蔵室の内部

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら