井上尚弥から異例の“お願い” 人生初ダウン映像がSNSに拡散「切り取りやめて(笑)」「ダウンの仕方もダサい」
衝撃の逆転TKOから一夜明け会見
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が7日、4団体防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は34年ぶりの東京Dボクシング興行で指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ち。4万3000人の観衆を熱狂させた。ダウンを3度奪い返して逆転勝ちしたが、初回に試合では人生初ダウン。井上は笑いながら「ダウンシーンを切り取ってXで上げるのはやめてほしい」とファンに“お願い”をしていた。
井上は珍しく少しアザのできた顔で会見した。「昨日、無事にドーム決戦が終了し、映像も見直した。初回のダウンを含め、6回をしっかり見ました。内容的にも満足。凄くいい試合でした。陣営の方々は凄くヒヤヒヤしたと思うけど、ああいう試合は4万人のお客様全てが満足していただいたと思う。自分自身歴史に残るいい日になりました」と話した。
この日は前座のWBA世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦で、弟で王者の拓真が同級1位の指名挑戦者・石田匠(井岡)に3-0で判定勝ち。拓真も初回にダウンを喫しながらも2度目の防衛に成功した。
会見で尚弥は、拓真のダウン時について「バンテージ巻きながら何やってんだよって」と状況を説明。父でトレーナーの真吾氏は「俺なんてビックリだよ」と、息子2人が初回ダウンを喫する展開に驚きを口にした。同じく会見した拓真も「ナオの初ダウンは心臓が止まるかと。お兄ちゃんのダウンは見たくない」と苦笑いだった。
試合では初のダウンを喫した尚弥からは異例の“お願い”も。「ダウンシーンを切り取ってXで上げるのはやめてほしい(笑)。X開くたびに出てくる」と、SNSで自身がキャンバスに倒れる場面が拡散されていることに言及。「勘弁してほしいですね。ダウンの仕方もダサい」と笑っていた。
前夜は初回に井上が左アッパーを放った後、ネリの左フックが井上の顎に着弾。試合ではまさかの人生初ダウンを奪われた。再開後はロープに詰められたが、2回に左フックでダウンを奪い返し、5回にもロープ際から左フックで2度目のダウン奪取。6回、右アッパーからの右フックで3度目のダウンを奪い、見事な逆転TKO勝ちを収めた。ドーピング騒動と体重超過で過去に日本と因縁のあったネリを退けた。
東京Dのボクシング興行は、1990年マイク・タイソン―ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶり。井上は日本人で初めてメインイベントを務めた。試合後のリングでは、18勝(8KO)の26歳、WBO&IBF世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)と交渉すると明言。9月頃の対戦を希望していた。
(THE ANSWER編集部)