日本人が好きな「ラーメン」 毎日食べてもOK? 注意点は? 内科医が解説
日本人が好きな食べ物の一つが「ラーメン」です。スーパーやコンビニでは多くの即席麺が販売されており、買いだめをしている人は多いと思います。
ところで、ラーメンを毎日食べている人がいるようですが、健康上問題はないのでしょうか。ラーメンと一緒に食べた方がよい食べ物はあるのでしょうか。ラーメンを食べる際の注意点のほか、組み合わせた方がよい食べ物などについて、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんが解説します。
「塩分」「栄養バランス」に要注意
まず、ラーメンのカロリーについて、説明します。しょうゆラーメンやみそラーメン、塩ラーメンの1杯当たりのカロリーは、500キロカロリーから800キロカロリー程度と、それほど高くありません。糖質も50グラムから70グラム程度と理想的です。カロリーや糖質だけに注目すれば、しょうゆ味やみそ味、塩味のラーメンを毎日食べても問題はないと言えます。
ただし、豚骨ラーメンは脂質の量が多く、脂は1グラム当たり9キロカロリーと高カロリーなため、それに比例してカロリーが増します。豚骨ラーメンに限らず、高カロリーの食べ物を食べ過ぎると肥満を引き起こし、糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病につながるため注意が必要です。
また、ラーメンには1杯当たり5グラム以上の塩分が含まれていることが多く、塩分の過剰摂取による高血圧を引き起こす可能性があります。
厚生労働省は、1日の塩分の摂取目標量について、食塩相当量で男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満を推奨しています。そのため、ラーメンだけで1日の塩分目標量のほとんどを摂取することになってしまいます。食べる際は汁をなるべく残すようにしなければなりません。
特に子どもの1日の塩分摂取量は、大人よりも少なく設定されているため、子どもにラーメンを食べさせる場合は、汁を全部飲ませてはいけません。子どもが濃い味に慣れ、濃い味の食べ物を好むようになると、将来的に高血圧になるリスクを高めてしまいます。調理する際は、味を薄めに調整するなど工夫した方が良いでしょう。
ラーメンは基本的に野菜をあまり使わない料理のため、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しがちです。ラーメンだけで食事を済ませるのは、栄養バランス上、良くありません。
そこで、ビタミンやミネラル、食物繊維を摂取する目的で、ラーメンと一緒に野菜料理を食べると、栄養バランスがよくなります。また、ラーメンの付け合わせとして有名なチャーシューや煮卵にはタンパク質が含まれているため、調理の際はそれらの食べ物を加えることをお勧めします。
このほか、血液中の塩分を排出する「カリウム」という成分を多く含む食べ物を組み合わせると、塩分過多を防ぐ効果があります。カリウムはバナナやアボカド、ホウレンソウ、トマトなどに多く含まれています。ただし、バナナやアボカドはカロリーが高いため、食べ過ぎないようにしましょう。
塩分を過剰に取らないことが大切なので、カリウムを摂取するからといって、過剰摂取した塩分のすべてが相殺されるわけではないことを忘れないでください。ラーメンを食べる際は、カロリーや塩分、栄養バランスに気を付けましょう。