「ナニサマなんだ」関経連会長、大阪万博めぐり建設業界に「けしからん」発言「会長のほうがよっぽどけしからん」非難殺到
関西経済連合会の松本正義会長(写真・時事通信)
2月9日、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は、2025年大阪・関西万博をめぐり、建設業界がパビリオン建設などに協力的ではなかったと主張。「建設会社は、『ナショナルプロジェクトの万博を成功させるため、最大の努力をする』とくらいコメントしてはどうか」と述べた。同日、産経新聞が報じた。
京都市で開催された「関西財界セミナー」の記者会見での発言。
万博に関しては、日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設会長)が2023年11月27日の会見で、海外パビリオンについて「もうデッドラインは過ぎている」などと、建設が厳しい状況にあると訴えてきた。
また、2023年10〜11月、全国建設業協会が1万8000社あまりを対象にした調査で、9割近くが万博の工事に「興味はない」と回答していたことを、NHKが報じている。
万博に関連する質問を受けた松本氏は「建設会社は、けしからん。万博を成功させようというコメントはどこにもない」と切り出し、「建設会社の協会トップが。けしからん」とも発言したという。
一方で、「経済界は最大の努力をしている」と強調。「絶対に万博は成功させなくてはならない」と述べ、「やめるとか延期するとか(言う人がいるが)、新型コロナウイルスの影響で(延期された)ドバイ万博は仕方ないが、今回は絶対に許されない」と語ったという。
松本会長といえば、1月1日付の毎日新聞のインタビューで、万博の運営が赤字となった場合には「経済界が(穴埋めのために)資金を出すことは難しい」と述べていた。
「経済界は精いっぱいやってきた。(誘致活動や会場建設費集め、前売り券購入などを)先導し、できることは全部やってきた」と述べる一方、「赤字になった場合の対応については事前に考えておくことが大事だ。(経済界とは)違うところで、政府に議論してもらわないといけない」と、国に積極的な関与を求めていた。
さらに、1月4日放送の『関西財界フォーラム2024』(ABCテレビ)で松本会長は、日本国際博覧会協会(万博協会)が、物価高騰などにともない、会場建設費が最大2350億円になると公表したことについて「結局、増額は予想できていたが、情報を持っている万博協会の『情報を出すタイミング』が悪かった」と述べていた。
関経連の松本会長が、建設業界に対し「けしからん」と発言したことに、SNSでは批判的な声が殺到した。
《また関経連。ナニサマなんだこの人》
《これが日本の縮図だよなぁ。現場が無理言うてるのに根性論を持ち出して、批難する。失敗したら現場のせい。けしからんのは現場を無視している方》
《多くの国民が反対している万博を 無理矢理 力ずくで開催しようとする 関西経済連合会会長の方が よっぽど『けしからん』と思うのだが!》
松本会長は、万博協会の副会長でもある。「けしからん」という前に、なにかできることがあったのでは。