冬は子どもの肌がガサガサに……その乾燥肌を生まれ変わらせる4つの栄養素とは?

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大寒を迎えて寒さがひときわ増す季節。気がつくと湿度が20%台になっていることも少なくありません。空気の乾燥によって肌から水分が奪われてしまうと、肌本来のバリア機能が脆弱化し、乾燥小ジワや化粧崩れなどの悩みが起きやすくなります。

大人に比べてバリア機能が未熟な子どもは、特に肌が乾燥しやすいので、触ってわかるほどガサガサになってしまい、ひどい場合には粉を吹いてしまうことも。また、乾燥性湿疹により肌や頭皮がかゆくなり、掻くことで余計に症状が悪化してしまう悪循環に陥ってしまうこともあります。

子どもの肌のバリア機能を守るためには、湿度50〜60%ほどの環境を保つことが大切です。またスキンケアも効果的で、バリア機能を保護することでアレルゲンの侵入を防ぎ、食物アレルギーを予防する目的もありますので、ぜひ習慣化したいところです。


肌のバリア機能の材料は、残念ながら体内で勝手に作り出されることはありません。弾力のある肌をつくるコラーゲン、水分が蒸発しないよう守ってくれる潤いに欠かせないセラミドなど、多くが食事に含まれる栄養素によってつくられています。よって、食事と栄養が足りないと、どうしても肌のコンディションは低下してしまいます。なかでも乾燥対策に注目したい栄養素は以下の4つです。

乾燥対策の栄養素【1】
潤いリッチな肌の基本は「たんぱく質」


コラーゲンを中心に、肌は約60%がたんぱく質でつくられています。

たんぱく質は体重1kgあたり1g/day必要です(運動習慣がある人と成長期の子どもはより多くなります)。しかし残念ながら、2015年に実施されたラブデリの調査(※1)では、20〜40代の女性のたんぱく質不足率は89%であり、多くの人が推奨量に届いていません。

肉・魚・大豆・卵・乳製品に代表されるたんぱく質は、肌のバリア機能の材料になるだけでなく、肌の新陳代謝をうながすことで乾燥や湿疹を予防する脂質とミネラル類の主な供給源でもあるため、たんぱく質不足=良質な脂質&ミネラル不足になってしまい、より一層肌のコンディションが乱れやすくなってしまいます。とくに朝ごはんのたんぱく質量が乏しくなりがちなので、朝に卵料理、納豆、鮭フレーク、シラス、豆乳、ヨーグルトなどを片手手のひら一盛り分は食べておきたいところです。


乾燥対策の栄養素【2】
炎症から肌を守ってくれる「亜鉛」


健康的な肌や髪に欠かせないのが、新陳代謝を促して湿疹やかぶれなどの“炎症”から肌を守る亜鉛です。皮膚炎に有効な軟膏薬の成分でもあります(亜鉛華軟膏)。こちらも残念なことに不足率は77%と非常に高く、その理由は亜鉛が含まれている食材の特殊さにあります。

亜鉛を豊富に含むのは牡蠣、牛肉、たらこ、豚レバーと、それほど頻繁に食卓に上がることがない食材が多いのです。納豆や卵、鰹節などにも含まれているので、まったくとれないということはありませんが、推奨量には届きにくい量です。しかし、冬はもっとも豊富に亜鉛を含む牡蠣が旬を迎えます。牡蠣鍋、牡蠣の炊き込みご飯、牡蠣のオイル漬けなど、この季節は可能な限り意識して牡蠣を食べておきたい季節です。

乾燥対策の栄養素【3】
肌のバリア機能を回復する「マグネシウム」


「ミネラルの王様」と呼ばれるマグネシウムには、水分を蓄える性質を持つヒアルロン酸の産生を促す働きがあるだけでなく、肌を活性酸素から守り、バリア機能の回復効果があることを資生堂が発表しています(※2)。

マグネシウムは、白米や白い食パンのような精製された食品では十分にとることができません。発芽玄米や麦飯、ライ麦パンなどの穀類に多く含まれており、大豆製品や海藻にも含まれています。マグネシウムも不足率は70%と高く、意識して食材を選ばないと必要量を満たすことが難しい栄養素のひとつです。温泉や海のミネラル成分でもありますので、これらを用いた入浴剤を使うとマグネシウムの潤い効果を得ることができます。


乾燥対策の栄養素【4】
ビタミンD


「え?ビタミンCじゃないの?」という声が聞こえてきそうです。ビタミンCも皮膚炎の悪化を防ぐ働きが発見され(※3)、肌老化を防ぐ役割があります(ただし、ビタミンEと一緒にとることが重要です)が、ビタミンDもとても重要な働きをするのです。

ビタミンDはコラーゲンの生成を促し、細胞同士の密着を高めることから、健やかな美肌には欠かせないビタミンであることが近年の研究で明らかになりました(※4)。ただし、紫外線を浴びることでつくられるビタミンであることから、冬は血中のビタミンD濃度が夏に比べて低くなってしまうのです。

しかも、日本人の98%がビタミンDの不足状態にあり(※5)、乳児も半分が不足、3割以上が欠乏状態(母乳だけで育つ乳児ではなんと75%も不足)にあります(※6)。日焼け止めを使用することにより血中濃度が低下してしまい、中高生では男子より女子の方が不足・欠乏率が高くなっています。

ビタミンDは魚類(鮭やシラス)、卵、キノコ類(とくにキクラゲや干しシイタケ)に含まれますが、日光によってつくられる割合の方が大きいため、食事だけで必要量を満たすことは難しいです。1日15〜30分程度は日を浴びることが大切です。

食事は薬ではありませんので、一朝一夕で肌が生まれ変わることは難しいですが、弾力や潤いの材料をしっかり摂り、新陳代謝を促すことで、少しずつ乾燥に負けない肌をつくることはできます。とくに、上記の栄養素をより多く含んでいることが多い魚類は、週3回以上を目安に食べることをおすすめします。

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※1 Will Conscious Marunouchi「まるのうち保健室」調査 Copyright 2016 三菱地所株式会社・一般社団法人ラブテリ All Rights Reserved.

※2 Keigo Fujita et al. Intracellular Mg2+ protects mitochondria from oxidative stress in human keratinocytes. Commun Biol. 2023.

※3 Kun pyo kim et al.Vitamin C Stimulates Epidermal Ceramide Production by Regulating Its Metabolic Enzymes.Biomolecules & Therapeutics 2015;23(6):525-530

※4 John Dobak et al. 1,25-Dihydroxyvitamin D3 increases collagen production in dermal fibroblasts. Journal of Dermatological Science.Volume 8, Issue 1, August 1994, Pages 18-24

※5 Hiroyasu Miyamoto et al. Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry. J Nutr. 2023 Apr.

※6 Miyamoto H, et al. J Nutrition 2023; S0022-3166(23)05587-6.

※7 2021年4月研究論文「デンシトメトリー検査によって明らかとなった日本人女性における産後の骨粗鬆症および骨量減少の有病率」より

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細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事

2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。

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