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東京メトロ千代田線に乗り入れるJR常磐線各駅停車の亀有駅、金町駅を使う住民が「不当に高い運賃を取られている」として、両社と国に対して損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が1月22日、東京高裁であり、即日結審した。判決は3月25日に言い渡される。

原告側は、両駅から都心部に行く場合、千代田線の「西日暮里乗り換え」とJRだけで行く「北千住乗り換え」では1.3〜1.7倍の差が出ると主張。また、北千住駅のバリアフリー化が不十分で、高齢者など一部の乗客への差別だとしていた。

一審の東京地裁は「東京メトロとJRの併算運賃は不合理とはいえず、通常の経営判断」「(JRだけを選ぶか、メトロ経由を選ぶかは)金額や利便性を勘案して各旅客がそれぞれ選択すべき問題」などとして、原告側の主張を退けた。

原告側によると、この日の控訴審では北千住乗り換えの動画や、100枚以上の現地写真を提出。また、裁判所に対しては沿線住民を中心とした3219筆の署名を届けたという(現在も署名集めは継続中)。

代理人の中村忠史弁護士は「一審は争点整理すらせず、木で鼻をくくったような判断だった。裁判所も被告側も、住民の声にきちんと向き合ってもらいたい」と話した。

詳しい経緯はこちら(運賃は2022年10月当時)

●スライドで振り返る問題の構図

弁護士ドットコムニュースの記事「常磐線の『不当運賃』問題 50年の時を越え司法の場へ 鉄道工学の専門家が解説」より抜粋。